リバプールFWディアスの父が涙 誘拐された過酷な12日間振り返る
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【11月11日 AFP】サッカーイングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)に所属するコロンビア代表FWルイス・ディアス(Luis Diaz)の父親ルイス・マヌエル・ディアスさん(56)が10日、左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」に誘拐されていた過酷な約2週間を涙ながらに振り返った。
前日にようやく解放されたルイス・マヌエルさんは、コロンビア北部ラグアヒラ(La Guajira)州バランカス(Barrancas)の自宅で会見に臨み、拘束されていた12日間は「ほとんど眠れず」、「とてもつらい」時間を生き延びていたと語った。
会見中に涙を流すと、一緒に誘拐されながらも数時間後に救出されていた妻のシレニス・マルランダさんに背中をやさしくさすられていた。
ルイス・マヌエルさんは会見に到着する際、明らかに歩行が困難な様子をみせており、会見終了後も助けを借りながら椅子から立ち上がり、手を引かれて退場した。しかし、誘拐犯から虐待されたりはしなかったという。
拘束されていたコロンビアの山岳地帯では「かなり歩かされて、何度も山を登ったり下りたりしながら、家に帰れるように安全を心掛けていた」といい、子どもの頃から探索していた山々で不慣れなわけではなかったものの、それとは「話が別だ」とし、「自分のような状況であの山には誰にも入ってほしくない」と語った。
また、自分の解放が「コロンビアの平和と、すべての人質が自由になるチャンスを得る」ための一歩になることを望むとも訴えた。
ディアスの両親は先月28日、バランカス市内のガソリンスタンドでバイクに乗った武装集団に連れ去られた。母親は無事に救出されたものの、ルイス・マヌエルさんをめぐっては250人以上の兵士を投入して陸と空から大規模な捜索が立ち上げられていた。
数日間にわたる交渉の末に、9日にELNはベネズエラとの国境に近いセラニアデルペリハ(Serrania del Perija)山脈の非公表の場所で、ルイス・マヌエルさんを人道支援団体のスタッフに引き渡した。
その後、ルイス・マヌエルさんは付き添いの人とともにヘリコプターで北部バエドゥパル(Valledupar)へ移動。数時間後には警察の警備の下で自宅に到着し、隣人からドラムやトランペットの音楽で祝福された。(c)AFP/Valentín DÌAZ