【11月10日 AFP】オーストリアの首都ウィーンでこのほど、近代的な水道設立から150年を記念する噴水がお披露目された。しかし、「醜い」上、制作費が高額だとして激しい批判を呼んでいる。

 180万ユーロ(約2億9000万円)かけて設置された噴水は、左派社民党所属のミヒャエル・ルートビヒ(Michael Ludwig)氏が市長を務めるウィーン市が発注したもの。先月24日の落成式には、アレクサンダー・ファンデアベレン(Alexander Van der Bellen)大統領が出席した。

 水盤の周りに人のような形をした彫像33体が輪になって座っているデザインを手掛けたのは、挑発的な作風で知られるウィーンを拠点に活動するアーティスト集団「ジェラティン(Gelitin)」。審査によって選ばれた。彫像は大切な資源である「水に対する地域社会の責任」を象徴している。

 あるインターネットユーザーは、これまで見た中で「最も醜い噴水」だと批判。像の一部がミシュランマン(Michelin Man)のようだとけなす声もある。

 右派自由党党首は、社民党員たちが「醜い人の像」が付いた「ぜいたくな噴水」を建てて、ウィーンのイメージを傷付けたと非難した。社民党がいかに「市民のことをまったく理解していない」かということを示していると主張した。

 AFPはウィーン市とジェラティンにコメントを求めたが、今のところ返事はない。(c)AFP