【11月10日 CGTN Japanese】中国広西チワン族自治区柳州市人民病院で5日、臓器摘出手術が行われました。手術は順調に完了しました。臓器の提供者は柳州市職業技術学院建築工学装飾学科の3年生で、満20歳になったばかりの鄧興燕さんでした。

　鄧さんは桂林市陽朔県で生まれました。家は裕福ではなく、鄧さんは小さい頃から、教育を受けることによって山村を出て、家族にもっと良い生活をさせたいと志していました。

　鄧さんの叔父は鄧さんについて、「よく勉強し、よく働く子だった。休みになって家に帰るたびに農作業や家事の手伝いを進んでした。心根が優しくて、周りの人をいつも熱心に助けていた。努力したことで、順調に大学に入れた。建築関係の専攻を選び、将来は自分の手で家族に暖かい家を建てたいと言っていた」と振り返りました。

　残念なことに、今年10月末に思いもよらなかった交通事故で鄧さんの命と夢が突然に断たれました。病院に緊急搬送されましたが、二度と目を覚ますことはありませんでした。専門医師団は脳死の基準に合致していると診断しました。

　鄧さんの父親である鄧連福さんは、娘の交通事故の連絡を受けて地方から病院に駆けつけましたが、横たわっていたのは二度と目を覚ますことのない娘でした。鄧連福さんは悲嘆にくれながらも、家族と相談して熟考した上で、役に立つ娘の臓器をすべて寄付することを決めました。鄧さんが寄付した心臓、肝臓、肺、2つの腎臓は臓器不全患者の計5人に提供され、それぞれの患者を救いました。

　娘との永遠の別れの時、父親は胸の苦しみに堪えつつも、「娘の人を助けたい気持ちを尊重する。その愛を社会と分かち合い、必要な人を助け、命が別の方法で生き続けることを望んでいる」と、はっきりした口調で心境を語りました。

　彼女のことで感動した人々が、「鄧興燕さん、この世に来てくれてありがとう！」とコメントを寄せました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News