【11月12日 東方新報】中国HSBC銀行(HSBC Bank China)が11月6日に発表した報告書によると、新型コロナウイルス感染症管理措置の最適化に伴う中国経済の回復に後押しされ、中国に進出している国際企業の大半が、中国への投資をさらに増やすことを計画しており、サプライチェーン、テクノロジーとイノベーション、デジタル機能とプラットフォームが投資の優先順位トップ3に入っている。

 HSBCは、主要16か国の3300社を超える企業を対象に調査を実施し、インタビューに応じた国際企業の87パーセントが今後1年間に中国での事業を拡大することを明らかにした。回答者の約73パーセントは、今後3年間に中国でのサプライチェーンの足跡を増やすと予想しており、4社に1社は「大幅に増やす」と予想している。

 東南アジアの企業は、中国におけるサプライヤー・ネットワークの拡大に特に関心を持っている。このような関心は、調査対象となったインドネシア企業の92パーセントが最も強く、ベトナムとフィリピンの企業がそれに続いている。

 HSBCによると、製造業は中国でのサプライチェーンの拡大に特に関心が高く、74パーセントが今後3年間で中国への投資を拡大する可能性があるという。

 HSBC中国の王雲峰(Wang Yunfeng)社長兼最高経営責任者(CEO)は、高いインフレ率、成長の勢いの欠如、サプライチェーンのリスクは、海外企業が世界経済の多くの複雑さと変化に直面している現在、主要な懸念事項であると述べた。

 しかし中国市場は、その継続的な景気回復、巨大な市場規模、深く統合されたサプライチェーンを背景に、世界中の企業から注目を集め続けている。中国の質の高い経済発展が進むにつれて、より多くの国際企業が中国の成長、特に新興経済と低炭素化によって生み出される可能性から利益を得ることになるだろう、と王氏は述べた。

 HSBCが今回の調査で明らかにしたように、インタビューに応じた国際企業の88パーセントの大多数が、中国のデジタル経済が新たな投資機会を切り開いていることに同意している。

 その上、回答者の3分の1が、電子商取引(EC)では中国が世界をリードしていると考えており、同様の割合の回答者は、中国が人工知能(AI)、機械学習、デジタル決済のリーダーであると考えている。

 HSBCの報告書によると、中国の大規模な国内市場のおかげで、国際企業の39パーセントが中国を新しい技術や製品を開発・テストする魅力的な場所と考えている。

 再生可能エネルギー、電気自動車、エネルギー効率の高い製品など、中国のグリーン産業は最も大きな成長の可能性を秘めている。

 そのため、回答者の55パーセント近くが、省エネ製品、リサイクル可能な製品、持続可能な素材を使用した製品など、より環境に配慮した製品を中国で提供することを計画している。HSBCによると、米国とドイツは、環境に配慮した製品やサービスの購入を奨励するため、より多くのインセンティブを提供することで消費者の習慣を誘導する傾向があるという。

 一方、調査対象となった企業の49パーセントは、製造施設やオフィスビルのエネルギー効率を高めるために投資し、48パーセントは、より持続可能な事業運営を計画している。この報告書は、中国国際輸入博覧会の期間中に6年連続で発表された。(c)東方新報/AFPBB News