【11月10日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は9日、カザフスタンを訪問した。一方、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)、イランのイブラヒム・ライシ(Ebrahim Raisi)両大統領は同日、ウズベキスタン入りした。中央アジアに対してはこのところ、外交攻勢が改めて強まっている。

 ロシアは中央アジアが依然自国の影響下にあると考えているものの、ウクライナ侵攻以降、その影響力は陰りを見せており、旧ソ連構成国はパートナーシップの多様化を目指している。

 それでも、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ(Kassym-Jomart Tokayev)、プーチン両大統領は首都アスタナでの会談を前に、共に両国関係を称賛。プーチン氏は「われわれの戦略的パートナーシップは実に前向きだ」と述べ、トカエフ氏は「豊かな歴史と明るい未来のある同盟」とたたえた。

 だがソ連崩壊から30年が経過し、ロシアがウクライナ侵攻で行き詰まりを見せる中、中央アジアに対しては他の大国も投資を進めている。

 中国は巨大経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」で中央アジアの主要パートナーとなった。

 プーチン氏訪問の1週間前には、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領もカザフスタンを訪問。また欧州連合(EU)や米国、イラン、トルコも、カザフとの関係強化に動いている。

 一方、エルドアン、ライシ両大統領はウズベキスタンの首都タシケントで開催される経済協力機構(ECO)首脳会議に出席するため同国を訪問した。

 会議にはこのほか、パキスタンのアンワールル・ハック・カーカル(Anwaar-ul-Haq Kakar)首相ら中央アジア諸国首脳の出席が予定されている。

 ただしウズベキスタン政府によると、イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)の紛争は、今回の会議の議題には上がっていないという。

 映像はカザフスタン大統領府とトルコ大統領府より提供。(c)AFP