ロシア、イスラエル閣僚の核使用も「選択肢」発言を批判
このニュースをシェア
【11月10日 AFP】ロシアは9日、イスラエルのアミハイ・エリヤフ(Amichay Eliyahu)エルサレム問題・遺産相がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への核兵器の使用を「一つの選択肢」と発言したことについて、「全く容認できない」と批判した。
エリヤフ氏は同国のラジオ局コルバラマの番組で、ガザを実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)に対する報復攻撃の規模に不満を表明。ガザに核兵器を使用して「皆殺し」にする手法を容認するかとの質問に対し、「それも一つの選択肢だ」と答えた。
エリヤフ氏は後に「例え話」だったと釈明し、発言を撤回したが、停職処分を受けた。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官はエリヤフ氏の発言について、「挑発的で、全く容認できない」「ガザ地区の全住民が核兵器で脅されていることを示唆するものだ。ジェノサイド(集団殺害)の脅しなのか」と批判した。
イスラエルの核兵器保有は公然の事実だが、公式に認めたことはない。
ザハロワ氏は「これらの発言は、イスラエルが核兵器を保有していることを明確に裏付けるだけでなく、完全に不適切な状況下での使用を真剣に検討する素地があることを示している」と指摘した。
ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、ハマスとの一連の衝突におけるイスラエルの行為を批判している。
一連の衝突は10月7日、ハマスがイスラエルを越境攻撃したことで始まった。イスラエル当局によれば、この攻撃で民間人を中心に1400人が死亡、約240人が拉致された。
イスラエルは報復としてハマス殲滅(せんめつ)を目標に掲げ、ガザに空と地上から絶え間ない攻撃を実施。ガザ保健当局によると、多くの子どもを含む1万800人以上が死亡している。(c)AFP