【11月7日 AFP】ロシア五輪委員会(ROC)は6日、国際オリンピック委員会(IOC)からの資格停止処分を不服とし、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴した。CASが明らかにした。

 ROCは10月、ロシアが2022年の侵攻開始以降に違法に併合したウクライナ4地域のスポーツ組織を一方的に編入。これを受けてIOCは、この地域を管轄するウクライナの国内オリンピック委員会(NOC)の領域保全を侵害したと判断し、ROCに資格停止処分を科していた。

 CASによると、ROCは「異議のある判断の取り消しと、五輪憲章で与えられた全ての権利や特権を受けられるよう、IOCが承認するNOCとしての復帰を求めている」と提訴したという。また、仲裁委員会の設置より先に双方が書面の提出を交わし、仲裁手続きがすでに開始されたとも補足しつつ、「現時点では、裁定が出るまでの具体的なタイムテーブルを示すのは不可能である」と述べた。

 CASの裁定は最終的なもので拘束力もある一方で、双方がスイス連邦裁判所に上訴することも可能となっている。

 今回のCASでの手続きは、ロシアとその同盟国であるベラルーシのアスリートが来年のパリ五輪に参加できる可能性とは無関係となっている。この問題に関し、IOCは「適切な時期」に決定する意向を示している。(c)AFP