前線近くで練習の日々… パリ五輪目指すAS双子姉妹 ウクライナ
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■「一番大事な時期」
一緒にソファであぐらをかき、お互いの言葉を引き継ぎながらしゃべる様子からは、二人の仲の良さがうかがえる。ウラディスラワが「私たちの人生で、今が一番大事な時期」と話すと、「戦争とは関係なくね」とマリナが割って入る。
チームは9か月後に行われるパリ五輪への出場を目指している。選手たちが練習を積んでいるハルキウのプールは、昨年9月にロシアのミサイル攻撃でダメージを受け、吹き飛んだ窓ガラスは今もまだ張り替えられていない。マリナは「ボール紙を張って何とかふさいでいる」と明かす。
非常用の発電機もないが、マリナによればプール自体は無事で「水も温かい」という。ウラディスラワも「好きなだけ練習できる」と話し、マリナが「プールには他に誰もいなくて、コーチはそこがすごく気に入っている」と続ける。
そのとき外で空襲警報が鳴るが、「これが普通。毎日5回か6回くらい。夜にもある」とマリナ。とはいえ練習中に爆発音がすることもあり、そのときは濡れた水着のまま「地下に逃げ込まないといけない」そうだ。
国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシア選手のパリ五輪出場の可否をまだ判断していない。姉妹はロシア勢の出場を望んでいないと主張し、マリナは「ロシア代表とは戦争が始まってから会っていないし、できれば一緒になりたくない」と話す。
一方で、二人は競技の今後について別の不安も抱えている。アーティスティックスイミングでは客観性を高めることを目的とした新しい採点システムが導入され、演技の美しさよりも技術的な出来栄えの方が重視されるようになった。
二人のかつてのコーチは、この採点方法はくじ引きのようなものだと批判している。マリナも「芸術性の薄いぶざまなものに見える」と指摘し、美しさで劣っているチームが勝つようになるのではないかと心配した。
それでもウラディスラワは、「できることも、不可能なこともすべてやらないといけない。そうすれば、ジャッジも私たちがプログラムに組み込んだ要素をすべて評価してくれる。だから、すべてを完璧にしないと」と強調し、「これからも一生懸命、頑張っていく」と続けた。(c)AFP/Anna MALPAS
