【11月4日 AFP】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のトーマス・ホワイト(Thomas White)氏は、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では国連の建物50棟以上がイスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の戦闘の影響を受け、うち5棟は「直撃」を受けたとして、国連施設はもはや安全な避難所ではなくなっていると述べた。

 ホワイト氏はイスラエル軍に包囲されたガザからのビデオ通話で、パレスチナ人数十万人が学校などの国連施設に避難しているが、「国連の旗の下に安全を提供することさえできない」と報告した。

 国連施設で38人が死亡したと明らかにしたが、どちらの攻撃によるものかについては言及しなかった。

 ガザでは10月7日に一連の衝突が始まって以来、約60万人が国連施設に身を寄せている。

 ホワイト氏は、「こうした人々は国際人道法上の庇護(ひご)を求めて国連の旗の下に避難してくる」が「はっきりさせておきたい。今のガザに安全な場所などない」と訴えた。

 UNRWAの職員の死者も、少なくとも72人に上っている。

 国連のマーティン・グリフィス(Martin Griffiths)事務次長(人道問題担当)は、これまでに報告されているパレスチナ人の死者数に関して、実際はもっと多い可能性があると指摘。

 UNRWAは多くのガザ住民にとっての「セーフティーネット」だが、「実際には機能していない」と述べた。(c)AFP