【11月3日 AFP】米アイビーリーグ(Ivy League)の名門校コーネル大学(Cornell University)は2日、反ユダヤ主義的な脅迫をした在学生が逮捕されたことを受け、3日の授業を休講にすると発表した。

 米政府は国内で、イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の紛争をきっかけにユダヤ教、イスラム教双方に対する嫌悪や反感に基づく事件が増加しているとして懸念を示している。

 司法省によると、ニューヨーク州にあるコーネル大学の学生パトリック・ダイ(Patrick Dai)被告(21)は学内の討論用サイトに、ユダヤ人学生を射殺する、ユダヤ料理を提供している学食を銃撃するといった「ユダヤ人の死を求める」投稿をした。

 投稿には、大学のキャンパスで見かけたユダヤ人男性を「刺し、のどを切り裂く」、ユダヤ人女性は誰でもレイプして崖から突き落とす、ユダヤ人の子どもは全員首をはねる、といった内容もあった。

 検察によるとダイ被告は1日、脅迫などの罪で逮捕され、後に起訴された。

 同大のマーサ・ポラック(Martha Pollack)学長は2日、「コーネル大学は反ユダヤ主義を容認せず、また人種差別やイスラム嫌悪を含むいかなる形態の憎悪も容認しない」と非難した。

 メリック・ガーランド(Merrick Garland)司法長官は事件について、「わが国全体でユダヤ人、イスラム教徒、アラブ系コミュニティーに対する脅迫の量と頻度が著しく増加している」ことの一例だと警告した。

 米国ではハーバード大学(Harvard University)、スタンフォード大学(Stanford University)、ニューヨーク大学(New York University)などで学生、教授、大学当局を巻き込み、ソーシャルメディア上で反ユダヤ主義、イスラム嫌悪、言論の自由などをめぐる激しい論争が巻き起こっている。

 イスラエルでは九つの大学の学長が、米大学の学長宛ての公開書簡で、米国の多くのキャンパスが「反イスラエル、反ユダヤ感情の温床となっており、その多くは紛争に対する無知で偏った理解によってあおられている」と非難した。(c)AFP