【11月2日 AFP】タイは先週、イランに代表団を派遣し、イスラム組織ハマス(Hamas)と人質になっているタイ人22人の解放について直接交渉を行った。代表団の代表が1日、明らかにした。

 タイ議会議長が任命した代表団の代表を務めるアーリーペン・ウッタシン(Areepen Uttarasin)氏は同日、バンコクで報道陣の取材に応じ、イラン・テヘランでハマス幹部と2時間にわたり面会したと明らかにした。人質になっているタイ人を「適切な時期」に解放すると約束されたという。

 アーリーペン氏は「無実の人質を解放するよう要請した」「彼らは、人質は人道的に扱われていると請け負ったが、具体的な解放の時期については言及しなかった。適切な時期を待っている」と語った。

 同氏によると面会後、全員がイスラム教徒の代表団とハマス幹部はともに祈りをささげた。

 アーリーペン氏は、「タイはイスラム教徒のコミュニティーに思いやりを持ち接し、恩恵をもたらしていることを彼らは分かっており、私たちの懸念に対しても理解を示した。彼らはタイを尊重している」と述べた。

 タイのセーター・タウィーシン(Srettha Thavisin)首相は1日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と電話会談を行った。セーター氏は会談後、ネタニヤフ氏は「タイ人の人質の即時解放に全力を尽くすと述べた」と話した。

 イスラエルの首相府はネタニヤフ氏がセーター氏に「イスラエルは人質全員の解放に向け、あらゆる努力をしている」と述べたとしている。

 ハマスとイスラエルの戦闘により、タイ人32人が死亡し、19人が負傷した。タイ政府は自国民約7000人を輸送機で退避させた。(c)AFP