【11月2日 AFP】ドイツ政府は1日、国際紛争地における性暴力を「戦争犯罪」や「人道に対する罪」として訴追できるようにするための法案を承認した。議会の承認を経て、成立の運びとなる。

 法案は法務省が提出。刑法を改正し、「普遍的管轄権」の原則の下、国外での性犯罪に関しても訴追できるようにするというもの。現行の戦争犯罪の定義は拡大され、「性的暴行」「性奴隷化」「強制堕胎」なども対象となる。

 リサ・パウス(Lisa Paus)家族・高齢者・女性・青少年相はAFPに、「特に女性に対する性暴力は長い間、世界各地の武力紛争でテロリストによって組織的に、戦術的な武器として使われてきた」と指摘。犠牲者も共同原告となることによって、刑事裁判に積極的に参加できるようにしたいと述べた。

 パウス氏は法改正のきっかけとして、ロシアによるウクライナ侵攻開始以来、性暴力が拡大している点を挙げた。イスラム組織ハマス(Hamas)が10月7日にイスラエルに越境攻撃を行った際にも、レイプ事案が報告されていると語った。(c)AFP