【11⽉3⽇ Peopleʼs Daily】チベット絨毯(じゅうたん)はペルシャ絨毯、トルコ絨毯と並ぶ世界三大名絨毯の一つとして、艶やかな色彩や濃厚な民族の雰囲気、鮮明な地方色で評価されてきた。

 チベットでは新石器時代にはすでに、編み物文化が形成されていた。史料によれば、3500年前の遊牧部族は毛布を上手に編み、衣服や布団を作って寒さをしのいでいたという。この編み物の技術は代々受け継がれ、チベット絨毯の製作技術が形成された。チベット絨毯は単なる日用品から芸術品の殿堂に入った。チベット絨毯の製作は現地の特色ある産業に発展し、製品は海外にも売られるようになった。

 しかしチベット絨毯の産業の発展は順風満帆ではなかった。チベット絨毯は従来、手作業で作られていたので、製作に必要な人件費が高く、時間もかかった。そのため、低コストで大量生産が可能な機械織りのカーペットの登場で大打撃を受けた。チベット絨毯の製造業者の多くが受注減のために赤字に陥った。2020年以降はさらに、新型コロナウイルス感染症でホテルなどの観光客受け入れが減少し、カーペットの更新需要が鈍って市場はさらに低迷した。

 チベット絨毯の生産会社は、イノベーションを通じて主導権を獲得することを迫られた。そして業界を代表するいくつかの企業が、産業をけん引する革新の道を歩み出した。

 一部のチベット絨毯生産会社は、現代的なカーペットの生産方法を導入して、古い技術と結合させた。さらに、特殊な材料と特殊な技術を活用し、手織り絨毯から機械織り絨毯、さらに蛍光色絨毯などの多様な形態に拡大した。コスト面に強みがあり、仕立てが良質で、図案が精巧で美しい機械織りのチベット絨毯に人気が出てきた。

 大量生産方式を転換させた会社もある。顧客の好みや内装のスタイル、さらには指定された寸法に応じて絨毯を生産するようになったのだ。この新機軸で威力を発揮したのはデジタル技術の利用だった。また、生活環境を重視する昨今の風潮に対応して、新技術を利用した高い抗菌力を持つ絨毯が生産されるようになった。難燃性絨毯も開発された。

 チベット絨毯は、世界各地の人びとのさまざまな求めや好みに柔軟に応じるように進化した。そのため外国人顧客が好んで選ぶ傾向も発生している。

 チベット絨毯は中国民族の伝統工芸の至宝の一つだ。業界関係者はたて糸と横糸が交錯する絨毯のように、企業活動で伝統と現代を交錯させた。チベット絨毯産業は画期的な変革によって1000年を超える伝統技術に新たな活力をもたらしただけでなく、他の民族の伝統工芸の産業化や現代化の発展に参考にすべき経験を提供することになった。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News