【10月31日 CNS】インドネシアの首都ジャカルタと観光名所バンドンを結ぶ高速鉄道が、10月17日に正式に運行を開始した。ジャカルタ・バンドン高速鉄道の全長は142.3キロで、ハリム、カラワン、パダララン、トゥガルアルの4駅が設けられている。

 現地時間午後2時頃、ジャカルタのハリム駅では簡単な式典が行われており、現場は活気に満ちていた。ハリム駅の内装はインドネシアの伝統ろうけつ染めであるバティックや中国紅などの文化要素を取り入れており、中国とインドネシアの文化が巧みに融け合い、相互に呼応している。午後3時6分頃になると、インドネシアのブディ・カリヤ・スマディ(Budi Karya Sumadi)運輸大臣が運行開始を告げる太鼓を打った。その後、乗客たちは次々と検札を済ませ駅に入っていった。

 銀と赤の塗装が施されたG1137高速列車がプラットフォームに停車している。乗客たちは「赤いコモド(コモドオオトカゲ)」の愛称で呼ばれる列車の周りで写真を撮り、この歴史的な瞬間を記録している。これはインドネシア、そして東南アジア初の高速鉄道だ。

 午後3時35分、G1137高速列車がハリム駅を出発し、バンドン方面へ向かった。途中、列車はパダララン駅で一時停車し、一部の乗客が下車した。パダララン駅は全線で唯一、既存の普通鉄道と接続している駅で、高速鉄道と普通鉄道の乗り換えが可能となっている。

 午後3時50分、速度計は列車の時速が351キロに達したことを示し、公式発表の350キロの最高運行速度を超えた。ジャカルタ・バンドン高速鉄道の高速列車は高度にインテリジェント化されており、全車両に備えられている2500以上の検出ポイントにより、高速列車のすべての重要システムのリアルタイムでのモニタリング・早期警報、診断が可能だ。

 午後4時21分、列車は終点のトゥガルアル駅に到着した。高速鉄道では、ジャカルタからバンドンまで46分しかかからない。遠くの山々を見渡し、近くの田園風景を楽しめるのがこの駅の設計の特徴だ。この駅では地元のグルメが用意されており、乗客は無料で試食ができる。

「まるで『陸上で飛んでいる』ようだ。とても速くて快適だ」と、西ジャワ州に住むデボさん一家は、ジャカルタ・バンドン高速鉄道を初めて体験した。「WHOOSH」という文字が書かれた列車の先頭の前で、彼は家族4人で写真を撮った。

 夜が更けるにつれ、一時はにぎやかだったトゥガルアル駅は再び静けさを取り戻した。午後5時30分頃、G1137高速列車が夜の闇に向かって出発し、約40分後に無事にジャカルタのハリム駅に戻った。

 ジャカルタ・バンドン高速鉄道の正式運行の開始前に、中国・インドネシア両国は関連部門を手厚く手配していた。各専門装置の連動調整・試験、検査・検収、安全評価を行い、軌道状態、パンタグラフの性能、列車制御、通信信号システムなどを総合的に最適化調整し、路線が完全に運行開始の条件を満たすことを確認していた。(c)CNS/JCM/AFPBB News