【10月30日 AFP】イスラム教徒が大半を占めるロシア南部ダゲスタン(Dagestan)共和国で29日、イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の戦闘が激化する中、イスラエル発の航空便が到着するとのうわさが広がり、イスラエル人とユダヤ人を探すためとして群衆が空港に乱入した。

 スウェーデンの航路追跡サイト「フライトレーダー24(Flightradar24)」によると、テルアビブ発の航空便は同日午後7時にダゲスタンのマハチカラ(Makhachkala)空港に着陸した。

 ソーシャルメディアやロシア国営テレビRTなどに投稿された動画には、イスラエルに抗議する数十人が空港内のドアや柵を破壊し、一部が滑走路に侵入する様子が捉えられている。多くはアラビア語で「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と唱えていた。

 ロシアの航空当局は航空便の発着を停止し、治安部を投入。同日夜には暴徒は排除されたと明らかにしたが、空港は来月6日まで閉鎖するとしている。

 ダゲスタン共和国の首長は、責任者を処罰する考えを示している。

 今回の事態を受け、イスラエルは自国民の保護をロシアに要請した。また米国は「反ユダヤ主義的な抗議運動」だと非難している。(c)AFP