【10月27日 AFP】メキシコのリゾート・アカプルコ(Acapulco)を今週、最大級のハリケーンが襲った。26日の当局発表によると、27人が死亡、4人が行方不明となっている。

 最も強力なカテゴリー5のハリケーン「オーティス(Otis)」は、24日から25日未明にかけてアカプルコに上陸。人口約78万人の市内の通信・道路網はほぼ全面的に不通となった。高層タワーの壁に穴が空くなど、建物にも大きな被害が出ている。

 25日夜にはアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領が視察のため現地入りしたが、車列が土砂災害やがれきに阻まれ進めず、一行が徒歩での移動を余儀なくされる場面もあった。

 住民は食料や避難場所を求めて、泥やがれきの中を歩き回っている。ある住民(24)は「アカプルコはひどいありさまだ。店からは品物が奪いつくされ、みんな取り合いをしていた」と述べた。

 大統領は、行方不明者のうち3人は兵士だと明らかにした。また当局によると、死者の大半は氾濫した川に流されたという。

 観光ホテルの支配人シトラリ・ポルティージョさんは現地テレビ局に対し、「まるで地震のように建物が揺れた」と語った。ホテルのロビーには、嵐で飛ばされた車が横転していた。

 政府は必要物資を届ける緊急計画を発動。軍が食料10万食分と飲料水80万リットルを届けるとしている。(c)AFP/Yussel Gonzalez