中国江西省ではVR関連産業が力強く発展
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【10⽉28⽇ Peopleʼs Daily】2023世界仮想現実(VR)産業大会が19日から20日にかけて、中国・江西省(Jiangxi)南昌市(Nanchang)で開催された。江西省で同大会が開催されるようになって6年目だ。
江西省では近年、VR産業関連の組織、技術、人材、資金などが集積しつつあり、VR産業の重要拠点への歩みが加速している。同省にはすでにVR関連企業が400社以上あり、2018年には42億元(約860億5884万円)だったVRおよび関連産業の売上高は、2022年には812億元(約1兆6638億円)に達した。
省政府はVR関連産業を重点産業と位置付けて、資金チェーン、イノベーションチェーン、産業チェーンの融合発展を推進するだけでなく、VR産業と省内の電子情報、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータなどの関連産業チェーンとの相補的な発展を促している。
南昌市内の南昌小派虚擬現実の生産現場では、VR用ヘッドセットの生産ライン3本が同時稼働している。同社は南昌市内にある提携企業から、部品やVR用コンテンツを調達している。南昌小派虚擬現実の李傑(Li Jie)副総裁によると、関連産業の集積と良好な協力が大いに奏功している。2022年の同社の売上高は1131万元(約2億3174万円)で、今年は2000万元 (約4億980万円)近くになる見通しだ。
江西現代職業技術学院(Jiangxi Modern Polytechnic College)の学生である周濤(Zhou Tao)さんは南昌市にある国家職業教育バーチャルシミュレーション模範実訓練基地内での訓練に半月にわたり参加し、教室にいながらにして車両整備の腕を上げたという。周さんは「一つの技術を身に付けるには練習を繰り返さねばなりません。シミュレーションによる訓練は私たちの実技経験の不足を補うのにちょうどよいわけです」と説明した。
同基地では設備製造、交通運輸、医薬衛生など9種類26科目の専門課程の職業訓練を提供している。関係者によると、すべて運営が開始されれば、毎年延べ10万人に実習を施すことになる。
南昌市紅谷灘区のメタバース・VRデジタル農業モデル基地トマト園では、摘み取りロボットが行き来して、大ぶりで色鮮やかなものだけを選んで摘み取っている。しかしロボットが摘み取るトマトを自ら判断しているわけではない。
同基地の孟凡明(Meng Fanming)社長によると、トマトを選んでいるのは購入者だ。購入者が携帯電話のアプリを通して、摘み取り園に「入る」ことができる。気に入った果物や野菜を選択すれば、摘み取りロボットが一つずつ摘み取り、包装して購入者宛に配送する。孟社長によると、基地内での多くの取り組みに、メタバース技術を利用するようになった。
江西省では、VR産業チェーンの基盤がほぼ構築された。北京航空航天大学(Beihang University)江西研究院、華為技術(ファーウェイ、Huawei)南昌研究所、中国移動(China Mobile)VRイノベーションセンターなど、VR関連の重要な研究開発の場が省内に設置された。これらの施設は、江西省にVR関連の強みと動力をさらにもたらすと期待されている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News