【10月20日 AFP】米コロラド州の環境に優しい「グリーン葬」をうたう葬儀社で、少なくとも189体の腐乱遺体が発見され、警察が身元の確認を行うとともに捜査を進めている。

 州都デンバー(Denver)の南方約160キロにある葬儀社「Return to Nature Funeral Home」から「異臭」がするとの通報を受け、警察が出動したところ、腐敗した遺体が多数並ぶ「おぞましい」光景が広がっていたという。

 規制当局は同社の葬儀社登録を停止。葬儀場のオーナー、ジョン・ホールフォード(Jon Hallford)氏は当局に「剥製術」を実践していたと説明し、自身に「問題」があったことを認めた。

 捜査当局は葬儀社で「適切に保管されなかった」遺体を189体発見したと発表した。捜査が進めばさらに増える可能性があるとしている。

 米国の環境に配慮する人々の間で人気が高まっているグリーン葬は、遺体を直接土に埋めたり、生分解性のひつぎに入れたりすることが多い。通常、それまで遺体は冷蔵保存される。腐敗を遅らせるために強力な防腐剤を使用することも多い。

 現地紙デンバー・ポストによると、コロラド州は米国で唯一、葬儀社の許可制度がない州となっている。定期検査もなく規制は極めて緩いという。

 コロラド州の葬儀社では近年、オーナーによる遺体の部位の違法販売や、冷蔵されていない遺体や身元不明の遺灰、胎児の遺体が発見されるなどスキャンダルが相次いでいる。(c)AFP