【10月19日 AFP】サッカー女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会(FIFA Women's World Cup 2023)の決勝後に、スペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)前会長から一方的にキスをされたヘニフェル・エルモソ(Jennifer Hermoso)が18日、騒動後初めて同国代表に招集された。

 モンセ・トメ(Montse Tome)監督は、今月行われるUEFA女子ネーションズリーグ(UEFA Women's Nations League)のスイス戦とイタリア戦に向けたメンバーに、現在メキシコ女子リーグのCFパチューカ(CF Pachuca)でプレーするエルモソを含めた。

 W杯優勝後の表彰式でルビアレス氏から唇にキスをされたエルモソは、スペインサッカー界を震撼させた出来事の中心人物となっている。このキスについて批判を受けたルビアレス氏は合意の上だったとしながらも、連盟会長の座を退き、ホルヘ・ビルダ(Jorge Vilda)前監督も解任された。

 ビルダ氏の後任に就いたトメ監督は先月、自身の初陣に向けてW杯優勝メンバーの大多数を招集していたが、「保護するため」にエルモソをメンバーから外していた。この決断は多くの選手からの批判を呼び、エルモソ自身も「何から守ってくれるというの? 誰から守ってくれるの?」と声を上げていた。

 この日の会見でトメ監督はエルモソの招集について問われると、同選手と話をしたと明かした上で、「当時、彼女に何の問題もなかった。私たちは彼女を守るために参加させないという決断を下した。あの時点ではそれが彼女にとって最善だと考えた」と述べ、前回メンバーから外れたのはエルモソを守るためだったと繰り返した。

「私もコーチングスタッフも彼女と話しており、彼女は良くなったと感じた。この4試合で3ゴールを決めていて、われわれは彼女の実力を分かっている」 (c)AFP