ドイツ首都のユダヤ教会堂に火炎瓶 死傷者なし
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【10月18日 AFP】ドイツの首都ベルリンで18日、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)に火炎瓶2本が投げ付けられた。警察が発表した。死傷者はいなかったという。
警察によると、事件は同日午前3時45分(日本時間10時45分)ごろ、繁華街のミッテ(Mitte)地区で発生。覆面姿の2人組が徒歩で近づき、「ブルネン(Brunnen)通りのシナゴーグに向かって、炎上している液体の詰まった2本の瓶を投げ付けた」という。
シナゴーグの外で24時間態勢で見張っていた治安要員が、2人組が居た場所で出ていた「小さな炎」に気付き、消し止めた。2人は逃走している。
その後、午前8時ごろに同じシナゴーグで警察が捜査に当たっていたところ、電動スクーターに乗った男(30)が付近で立ち止まり、建物に接近。警察が制止したところ抵抗し、反イスラエルのスローガンを叫び始めた。
警察は男を釈放したが、人種的憎悪の扇動と公務執行妨害の容疑で捜査を開始したとしている。
オラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相はX(旧ツイッター)に、事件には特に言及しなかったものの、反ユダヤ憎悪を非難するメッセージを投稿。「ユダヤ人施設に対する攻撃や路上の暴力は、非人道的で嫌悪感を引き起こすもので、容認できない。ドイツに反ユダヤ主義が入り込む余地はない」と述べた上で、事態の対応に当たった治安部隊に謝意を表した。
ショルツ氏は、7日のイスラム組織ハマス(Hamas)による対イスラエル攻撃を受け先週行った演説で、国内のユダヤ人への連帯を示すよう国民に呼び掛けていた。
ドイツは第2次世界大戦中のナチス・ドイツ(Nazi)によるホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)以来、ユダヤ人に対する厳粛な責任があるとして、国内のユダヤ人施設の保護を強化している。(c)AFP