【10月18日 Xinhua News】日本のシンガー・ソングライター、谷村新司さん死去のニュースが16日、中国で伝えられた。ファンや友人らはインターネット上で「あなたは夜空で一番輝く星だ」「事実とは思いたくない」「グループでまた中国に来ると約束していたのに」などのコメントを寄せ、歌謡界で精力的に活動し「常緑樹」と称された故人をしのんだ。

 中国の改革開放が始まって間もない1981年、谷村さんは招待を受けて北京に赴き、中日青少年文化交流活動に参加。「アリス」のメンバーと共に北京工人体育場で歌を披露した。

 2010年の上海国際博覧会(上海万博)開会式では、代表曲「昴-すばる-」を歌った。開閉会式の総監督を務めた上海市文学芸術界連合会の滕俊傑(とう・しゅんけつ)副主席は、谷村さんが上海や中国に対する友好的な感情に満ちていたと振り返り、死去を悼んだ。

 滕氏はまた「最後にご一緒したのは18年の10月。中日平和友好条約締結40周年を記念して日本の京都コンサートホールで大型フォーラムとコンサートが開かれ、谷村さんはスケジュールを調整してわざわざ参加してくれた。インタビューもステージも全て誠実にこなしてくれて、とても盛り上がった。亡くなられたと聞き、悲しみに堪えない」と話した。

 谷村さんは同年秋に上海で「38年目の昴」と題したコンサートを開いた際に新華社の取材に応じ、また中国に来てコンサートをやりたい、間もなく70歳になるが、あと20年は歌いたいと何度も強調していた。「中国のコンサートでは多くの青少年がステージの前に座っているのが見え、日中両国の音楽交流に大きな希望を感じた。もっと多くの若者が交流に参加すべきだ」とも語っていた。

 中国のファンは「昴」の歌詞にちりばめられた詩的な言葉で、谷村さんに別れを告げた。(c)Xinhua News/AFPBB News