半年で職業30種を経験、20代女性が動画投稿で大人気=中国
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【10月15日 CGTN Japanese】四川省成都市在住の20代女性・池早さんは今年初めに退職して「職業体験師」になりました。池さんはこれまで半年間で、配達員や家政婦、茶館の店員など30種類の職業を体験してその動画をネット投稿することで、600万人を超えるフォロワーを獲得しました。
池さんは子供のころからドキュメンタリーが好きで、メディア業界でしばらく働いた後に退職して100種類の職業を体験し、その状況を動画にして配信しようと決めました。これまで経験した職業の中で、最も印象に残ったのが消防士になったことと、四川省の伝統劇である川劇の花旦(ホワダン、はつらつとした若い女性役)を演じたことでした。
池さんは川劇に端役として登場するだけにも、丸1か月も練習しました。池さんによると、川劇は歩き方から、歌の節回し、仕草、視線の使い方に至るまで、すべてが重視される複雑な芸術です。劇団の多くの役者は幼い頃から練習を重ねてきた経験があり、新人に対しては大変厳しいとのことです。池さんは、最も強い印象を受けたのは花旦そのものではなく、皆の熱い「川劇愛」だったと語りました。劇団で1カ月活動した池さんは、多くの高齢者が毎日芝居を見に来ることに気づきました。劇団は常に経営難ですが、熱心な観客は何も言わずに劇団を支えています。例えば、ある雨の日には、お年寄り20人ばかりが傘をさしてやってきて芝居を見に来ました。ところが実際に売れたチケットは40枚以上もありました。
これまで再生数が最も多かったのは、茶館での仕事の様子を紹介した動画です。茶館には十数年も働いた七さんという男性店員がいました。七さんは幼い頃に病気になった際に間違った薬を飲まされたことが原因で知的障害者になってしまいました。七さんの両親が亡くなった後には、茶館の店主が七さんを引き取りました。七さんは茶館の仕事に熟達して誇りに思うようになりました。知能は子どものままに留まってはいますが、誰よりも満足して楽しみを感じ、純粋で素直です。池さんは「仕事の本質は単にひたすら奉仕することではなく、私たち一人一人が自分のやり方で尊重されることだ」と語りました。
池さんは「さまざまな人生を経験した人と短い間に接して、彼らの物語を知り、どの職業にも人が知らない苦労があることに気づいた。この経験は私に世界を考え、人生を考える機会を与えてくれた」と述べました。池さんの次の仕事は警備員と決めました。警備員という職業を見たいというコメントがたくさん寄せられたからです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News