【10月12日 CGTN Japanese】上海動物園は9日、9月29日午後1時25分、雄のオランウータン「シンタイ(森泰)」が飼育舎内で天寿をまっとうしたと発表しました。人ならば90歳に相当する45歳でした。獣医による解剖の結果、主たる死因は高齢による多臓器不全と結論づけられました。

「シンタイ」は1978年生まれで、1985年6月から上海動物園で暮らしていました。幼い頃から非常に賢く、飼育員や来園者との交流が好きで、さらに「美女来園客」を見るのが大好きでした。動物園の開園時間終了時に、飼育員が何度呼んでも帰ってこない場合は、決まって美しい来園者がいるときでした。その女性客が帰らない限り、「シンタイ」は戻ってこないのです。「シンタイ」を担当する飼育員はこのような場合にはいつも、容姿がよくて優しい女性飼育員に助けを求めて、「シンタイ」を呼び戻さなければならなりませんでした。「シンタイ」は女性飼育員の優しい呼び声を聞くと大喜びで駆け寄ってきて、女性飼育員に「あいさつ」をしました。「シンタイ」はその後に糖尿病を患い、美女を見てもあまり喜ばなくなってしまいました。

 そんな美女好きな「シンタイ」が、「独身」を貫かなければならなかったことには、皆が残念に思っていました。専門家によると、「シンタイ」はボルネオオランウータンとスマトラオランウータンの交配種であり、種の管理についての科学的見地から、繁殖させることはできませんでした。そのせいもあって、飼育員らは「シンタイ」に格別に気を使って世話をしていました。「シンタイ」も飼育員らの特別な愛情を感じたのか、飼育員の求めに従って血糖降下薬を毎日飲み、採血検査にも協力的でした。

「シンタイ」は今年の夏以降、糖尿病による合併症が深刻化して食欲不振に陥り、9月29日午後に息を引き取りました。多くのファンが「シンタイ」への追悼メッセージを寄せ、あの世で楽しく暮らすことを祈りました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News