【10⽉15⽇ Peopleʼs Daily】広大なユーラシア大陸を横断するシルクロードでは、かつてはキャラバンのラクダの鈴が鳴り響いた。今では「鋼鉄のキャラバン」が次々に走り抜ける。中国と欧州を結ぶ貨物列車の中欧班列は運行開始以来の10年間で累計7万7000本に達し、輸送した貨物は731万TEU、その価値は3400億ドルを超えた。

 中欧班列は中国の112の都市、欧州25か国の200以上の都市、さらに沿線のアジア11か国の100以上の都市を結んでいる。

 江蘇省(Jiangsu)連雲港市(Lianyungang)にある中国・カザフスタン物流協力基地では、鉄道から船舶への積み替え作業が忙しく行われている。遼寧省(Liaoning)瀋陽市(Shenyang)にある中欧班列集結センターでは、クレーンがコンテナを次々に列車に積み込んでいる。内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)のエレンホト(Erenhot)通関所では中国とは異なるモンゴル国のゲージに合わせた貨車の台車の取り換え作業の真っ最中だ。

 中国国家鉄路集団によると、中欧班列の通関場所は6か所が設けられており、西・中・東の3ルートが確立された。最高時速120キロで運行できる路線は86本に達し、アジアと欧州を結ぶ国際一貫輸送のネットワーク化が実現した。

 また、中欧班列沿線諸国はこの10年間、通関所の能力を向上させ、新たな通関所も設けることで、国際一貫輸送能力を絶えず向上させてきた。例えばロシアとの国境にある内モンゴル自治区の満洲里(Manzhouli)の通関所では1日当たりのコンテナ取り扱い能力が2020年の2倍の840TEUに引き上げられた。

 中国から欧州まで貨物を輸送する場合、中欧班列を利用すれば運賃は航空輸送の約5分の1、輸送日数は海運の約4分の1で済み、かつ安定性が高いという特徴がある。

 それだけではない。中欧班列の平均炭素排出量は航空輸送の15分の1、道路輸送の7分の1で、世界規模の気候変動への対応に積極的な役割を果たしている。

 中欧班列という鉄道輸送と、他の輸送手段との連結も積極的に構築されている。大連(Dalian)港、天津(Tianjin)港、青島(Qingdao)港、連雲港港などの沿海港に乗り入れた中欧班列路線は29本に達した。広州(Guangzhou)や成都(Chengdu)などでは空輸と中欧班列を接続する越境EC輸出の新モデルが構築された。

 中国から中欧班列により欧州に輸送される貨物の種類は当初、携帯電話やパソコンが多かった。現在では完成車、機械設備、電子製品など53種類に拡大し、欧州から中国に輸送される貨物の種類は初期の木材、自動車、部品などから徐々に機電製品、食品、医療機器などに拡大している。

 中欧班列は勢いを増している。今年1-8月には前年同期比10%増の1万1638本が運行され、発送貨物は同23%増の126万2000TEUに達した。「鋼鉄のキャラバン」は今後も、国際的な経済協力により多くのチャンスをもたらすはずだ。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News