【10月12日 AFP】男子テニス、上海マスターズ(Rolex Shanghai Masters 2023)は11日、シングルス4回戦が行われ、大会第18シードのグリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)が5-7、6-2、6-4の逆転で第1シードのカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)を破り、準々決勝に進出した。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)以降、今回が初開催となる上海マスターズは、すでにダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)やステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)、ホルガー・ルーネ(Holger Rune、デンマーク)、ヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)も敗退しており、2017年以来のツアー優勝を目指すディミトロフの道も開けている。

 次戦は第22シードのニコラス・ジャリー(Nicolas Jarry、チリ)と顔を合わせる。ジャリーはワイルドカード(主催者推薦)のディエゴ・シュワルツマン(Diego Schwartzman、アルゼンチン)を6-3、5-7、6-3で下した。

 32歳のディミトロフは試合後、「自分がやらなくてはならないことは理解していた。彼には常にプレッシャーをかけ続けなくてはならないと分かっていたし、自分が劣勢の場面や十分なショットが打てていない時も、やりづらいポジションでプレーさせる必要があった。彼は後手に回るのを嫌うから」と振り返り、「自分はまだここにいる。消えるつもりはないよ」と勝利を喜んだ。

 一方、今季7勝目を目指していたアルカラスは、世界1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が欠場している中で優勝の本命に挙げられていたが、この日は第1セットを取ってから珍しく崩れた。

 試合後には「きょうのグリゴールは別次元だった」とディミトロフをたたえ、「守りに終始してしまい、攻撃するポジションを見つけられなかった」と話した。

 アルカラスが敗退し、勝ち残っている中で最高位となった第5シードのアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev)は、第12シードのトミー・ポール(Tommy Paul、米国)を7-5、7-5で退けた。

 準々決勝では第32シードのウゴ・アンベール(Ugo Humbert、フランス)と対戦する。アンベールはJJ・ウルフ(J.J. Wolf、米国)に6-1、6-2で圧勝した。(c)AFP/Peter STEBBINGS