【10月11日 AFP】1998年にアジア人として初めてノーベル経済学賞(Nobel Prize in Economics)を受賞したアマルティア・セン(Amartya Sen)氏(89)が死去したとの情報がSNSで拡散され、国内の複数メディアも報じたのを受け、同氏の娘は10日、「父は元気そのものだ」として死亡説を否定した。

 今年のノーベル経済学賞受賞者、クローディア・ゴールディン(Claudia Goldin)氏の成り済ましアカウントが、「悲しい知らせ」としてセン氏が死去したとX(旧ツイッター)に投稿したことからデマが拡散。追悼メッセージがあふれ、インドのデカン・ヘラルドやタイムズ・オブ・インディア、PTI通信なども、この偽情報に基づいて訃報を伝えていた。

 娘のナンダナ(Nandana Sen)氏はXで報道内容を否定。セン氏と一緒の写真を投稿し、同氏は「相変わらず忙しくしている」として、「ハーバード大学(Harvard University)で週に2科目の講義を受け持ち、ジェンダーの書籍にも取り組んでいる」と近況を報告。

「私たち家族は(米マサチューセッツ州)ケンブリッジ(Cambridge)で一緒に素晴らしい1週間を過ごした。昨夜別れた時も、父はいつもと同じように力強くハグしてくれた!」と投稿した。

 偽情報を投稿したアカウントはその後間もなく削除された。(c)AFP