中国で夫の事故死後 胚移植手術を拒否された妻が裁判所に提訴
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【10月10日 CGTN Japanese】中国東部の江蘇省(Jiangsu)高級人民法院(高等裁判所)と同省司法庁は9日午前、共同で記者会見を開き、「人民裁判員法」施行5周年の活動ぶりを紹介するとともに、「女性が夫を亡くした後、病院に胚移植手術の継続を要求した」ケースを含む、人民裁判員が参加した10件の典型的な裁判例を公表しました。
2016年から2017年にかけて、ある女性とその夫が不妊のため同省無錫市の病院で治療を受け、「体外受精-胚移植」手術を行い、胚の培養に成功し、女性の身体条件が整うのを待って胚移植手術を行うことになりました。しかし、2019年に夫が事故死した後、女性が病院に胚移植手術の継続を求めたところ、病院は夫の署名がないため、規定によりこのような手術は実施できないとして拒否しました。これに対して女性は、胚移植手術には家族のすべての希望が託されているとして、裁判所に訴え、病院に医療サービス契約の継続履行を命じ、胚移植手術を実施するよう求めました。
この件は家庭倫理と善良な慣習に関わるもので、難しい審理が必要でした。そこで裁判所は、医学の専門知識と関連業界での管理経験のある人民裁判員リストからランダムに2人の人民裁判員を選び出し、裁判官1人を加えた3人の合議制法廷を構成して本件を審理しました。2人の人民裁判員は、司法裁判は民間の風習を適切に考慮するとともに、法理と情理を考慮する必要があると主張し、女性が病院に胚移植の継続を求めるのは法律法規や公序良俗に違反しておらず、支持すべきだと提案しました。
裁判所は最終的に、病院が医療サービス契約を継続し、女性への胚移植手術を行うことを命じる判決を下しました。
生殖補助医療技術の急速な発展に伴い、一連の倫理的、道徳的、かつ法律的ジレンマが起きています。こうしたことを背景に、裁判に参加する人民裁判員が、人々の素朴な価値観や道徳準則に寄り添った評定意見を提出することで、判決に対する社会的受容性が高まり、裁判は法的にも社会的にも良好な効果が得られるものと見込まれます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News