【10月9日 AFP】米ペンシルベニア州の町レディング(Reading)で7日、100年以上にわたり「石男ウィリー(Stoneman Willie)」の愛称で親しまれてきたミイラ化した男性の遺体がついに埋葬された。

 米国では二度と見られないであろうミイラ化した遺体を見たり、写真を撮ったりするため、ここ数日は遺体が安置されている葬儀社に大勢の人が詰めかけていた。

 遺体は1895年に拘置所で死亡した窃盗犯のもの。引き取り手がいなかったため「テオ・C・オーマン葬儀社(Theo C. Auman Funeral Home)」に移送され、誤ってミイラ化されてしまった。

 その後、ウィリーはこれまでのほとんどの期間、同葬儀社で保管・一般公開されてきた。子どもたちが学校の課外授業として見学に来ることもあった。

 ウィリーと同じ監房に入っていた男はかつて、ウィリーは裕福なアイルランド人の父親に恥をかかせないために、すりで逮捕された際に「ジェームズ・ペン」という偽名を使ったと証言していた。


 7日の葬儀では、調査の結果、本名は「ジェームズ・マーフィー」だと明らかにされた。

 墓石には「石男ウィリー」と大きく刻まれており、本名は下部に小さく刻まれている。

 葬儀社によると、当時エンバーミング(遺体保全)技術はまだ出てきたばかりで、新しい薬品をウィリーの遺体で試した際に「強すぎた」ため、遺体がミイラ化してしまった。

 葬儀社の代表は、石男ウィリーは「十分、見せ物になってきた」とし、埋葬は「敬意を示す」ためだと話した。(c)AFP/Andrew Caballero-Reynolds, with Michael Mathes in Washington