【10月6日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は5日、気候変動で激化する洪水や干ばつ、嵐や山火事などの気象災害によって、2016~21年に4310万人の子どもが避難生活を余儀なくされたとの報告書を公開した。

 報告書の共同執筆者、ローラ・ヒーリー(Laura Healy)氏はAFPに、データは「氷山の一角」に過ぎず、実際の数はこれをはるかに上回る可能性があると指摘した。

 報告書によると、洪水、干ばつ、嵐、山火事の4種類の気象災害により、16~21年に44か国で4310万人の子どもが避難を余儀なくされた。このうち95%が洪水と嵐によるものだった。

 ヒーリー氏は「これは毎日約2万人の子どもが避難していることになる」と指摘。影響を受けた子どもたちは、親と離れたり、人身売買の犠牲になったりなど、さらなるトラウマを追うリスクもあると強調した。

 報告書のデータは、一人の子どもが2回以上避難することもあるため、影響を受けた子どもの数ではなく、避難した回数が反映されている。また、避難したのが災害発生前か後かは分けられていない。

 さらにヒーリー氏によると、干ばつは徐々に影響が出るため、避難した人の数の把握が難しく「かなり過小報告されている」という。

 ヒーリー氏は「これはわれわれが入手できたデータに基づいた、氷山の一角に過ぎない」と語った。(c)AFP/Amelie BOTTOLLIER-DEPOIS