【10月6日 東方新報】「合わせ技(総合施策)」を駆使した中国の外資企業誘致政策で、外資企業の対中投資が拡大している。外資企業の積極的な誘致と外国資本の利用は、高度な対外開放と開放型経済の新体制の構築における重要課題だ。

 商務部は9月28日、部のウェブサイトに「外資企業問題訴求収集処理システム」を立ち上げた。「当システムは『外資企業の円卓会議』のようなもので、企業が自ら足を運ぶことなく、このシステムを通して、プロジェクトの立ち上げ・建設や生産・経営活動の中で遭遇するさまざまな問題を随時反映し、またわが部への意見や提案をオンラインで渡すことが可能になった」、陳春江(Chen Chunjiang)部長助理はこう説明する。

 このほか、商務部は山東省(Shandong)と共同で、同省の省都青島市(Qingdao)で10日から12日まで「第4回多国籍企業リーダー青島サミット」を開催予定だ。9月22日時点ですでに多国籍企業316社から参加申し込みがあったという。

 また中国人民銀行、国家外貨管理局が9月18日に主催した「外資金融機構、外資企業との座談会」には、JPモルガン・チェース銀行(JPMorgan Chase Bank)、香港上海銀行(HSBC)、ドイツ銀行(Deutsche Bank)、フランスのBNPパリバ銀行(BNP PARIBAS)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(Mitsubishi UFJ Financial Group)、UBS証券(UBS AG)、米国EVメーカーのテスラ(Tesla)、ドイツ系総合化学メーカーのBASF、シンガポール系資源商社トラフィグラ(Trafigura)、フランス系電器・産業機器メーカーのシュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)などの著名な多国籍企業が参加した。

 9月14日には「全国『外国貿易安定・外資企業安定』テレビ電話会議」が開催された。会議では、対外貿易と外資企業のための基本的な発展基盤の安定、年間目標の任務の完遂、政策空間の適切な利用、力を入れるべき方向の見極め、さまざまな政策措置の「合わせ技」の実行、企業の受注安定と市場拡大への支援、外国資本の投資環境の一層の最適化など、10項目の重点業務が指摘された。

 これより前、8月には国務院が「外国企業の投資環境のさらなる最適化を図り、外国資本の中国への投資の積極性を高めることに関する意見」が発表され、24か条にわたる政策措置を新しく提起していた。

 2023年に入り、多くの多国籍企業の上層幹部が中国を訪れた。彼らはみな「中国は『選んでも良い市場』なのではなく、『必ず選ぶべき市場』だ」と述べ、中国への投資を引き続き拡大し、また中国市場を深く開拓しようとしている。

 スワイヤー・コカ・コーラ(Swire Coca-Cola)(蘇州)飲料は最近、総投資額20億元(約409億円)となる、これまで同社の中国投資の中で最大金額の戦略的投資を発表した。

 同社の蘇薇(Su Wei)総裁はメディアに対し、今後10年で中国国内投資は総額120億元(約2452億円)を超える予定だと発表、「この投資はわが社が中国市場の持続的発展と無限の潜在力を確信している証だ」と強調する。

 ドイツ系総合エンジニアリング企業シーメンス(Siemens)のローランド・ブッシュ(Roland Busch)CEOは年初、同社の今年の全世界投資20億ユーロ(約3122億円)のうち、中国に1億4000万ユーロ(約218億5540万円)を投資する計画を表明した。彼は中国市場の中で同社のシェアを保持・拡大すると語っている。

 タイの天絲集団(TCP Group)に属すエナジー飲料メーカー「レッドブル( Red Bull )」の広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)の生産基地は、総投資額13億元(約265億6797万円)で、すでに稼働を始めた。

 BASFの広東省(Guangdong)湛江市(Zhanjiang)一体化基地の総投資額は100億ユーロ(約1兆5615億円)、同社がこれまで投資した単体のプロジェクトの中で最大の規模を誇る。

 ドイツ系自動車メーカーのフォルクスワーゲン(Volkswagen)は中国EV車メーカー・小鵬汽車(Xiaopeng)に7億米ドル(約1044億8200万円)の増資を表明している。

 上海英国商会(British Chamber Shanghai)のスタート・ダン(Stuart Dunn)執行会長は中国新聞社(CNS)財経チャネルの取材に応じ、英国の23年上半期の対中投資は前年同期比135.3パーセントの大幅な伸びとなったが、これは英国企業の中国市場に対する興味と肯定を表すものだと話している。

 多国籍企業が対中投資を拡大しているのは、中国経済の今後の見通しと発展の潜在力を引き続き有望なものと評価しているためだ。

 テスラのイーロン・マスク(Elon Musk)CEOは今年訪中した際に、中国の発展の活力と潜在力を称賛し、「中国市場は自信に満ちている。今後も継続的にウィンウィンの事業提携を深化させていきたい」と話した。

 ミュンヘン再保険(ミューニックリー、Munich Re)大中華地区の常青(Chang Qing)総裁はCNSの取材に応じ、「中国市場はボリューム的にもまた発展の潜在力から見ても、わが社がさらに多くの資源を継続的に投入するに値する市場だ」と強調した。

 フランスのBNPパリバ銀行の資産管理部門の総経理で、海外投資基金管理(上海)会社の総経理でもある何昭(He Zhao)氏もCNSの記者に対し、「われわれは5年ごとに全世界の業務発展に関する新規計画を立案するが、中国市場は過去10年間あるいはもっと長い期間に全世界的な布石の中で最重要な市場の一つだった。これからも引き続き投資を拡大するだろう」と語った。

 欧州委員会(European Commission)のバルディス・ドムブロフスキス(Valdis Dombrovskis)副委員長は9月に上海市で開催された「外灘金融サミット(Bund Summit)」の開幕式で、「世界第二位の経済大国、第一の製造業大国、第一の貨物貿易大国として、中国は全世界的な価値の連環の中で重要な役割を果たしている。中国経済の動向は世界経済に影響をおよぼし、過去数十年間、世界の経済成長は中国経済の力強い成長によって支えられてきた」とスピーチした。

 幅広く活躍する著名な経済学者で、国研新経済研究院の創設者でもある朱克力(Zhu Keli)氏は「中国の開放経済の拡大とともに経営環境はさらなる最適化が進む。中国の産業体系の整備と基礎施設の完備、巨大規模の市場メリット、外資企業や多国籍企業への産業連環とサプライチェーンの保障によって外国資本の投資規模が拡大する。外資を吸収した中国市場のグレードアップは、外資に対して一層多くの発展チャンスを提供し、中国は世界的な多国籍企業にとって重要なスタビライザー(安定化装置)になるだろう」と予想している。(c)東方新報/AFPBB News