【10月3日 東方新報】中国の建国記念日、国慶節(10月1日)の休暇は春節(旧正月、Lunar New Year)と並ぶ大型連休の一つ。今年は中秋節(9月29日)と重なり、9月29日から10月6日までと8日間の超大型連休となった。加えて、国慶節の休暇としては2022年12月に中国政府がゼロコロナ政策を大幅に緩和してから初めて。人びとの旅行熱はいや応なしに高まる。

 休暇期間中の飛行機の利用者は2100万人を超えると予想され、予約状況は休暇が始まる時点ですでに前年の2倍以上、コロナ前の2019年の水準を回復する活況ぶり。1日平均1万7000便が運航されるという航空ラッシュだ。これは2019年と比べると20パーセント増。休暇期間中のフライト総数は14万便近くに達するというので、中国では空も忙しい。

 鉄道の旅客見込みは1億9000万人。連休初日のチケット販売数は2287万7000枚で過去最多を記録した。空港のみならず、鉄道の混雑も目に浮かぶようだ。

 連休期間、全国の高速道路では普通乗用車の通行料が無料になる。中国でも休暇につきものの渋滞。連休初日の29日の午前9時から正午までが混雑のピークで、それを過ぎれば連休終盤の5日、6日の午後4時から6時がUターンラッシュのピークとなりそうだ。

 国内の人気旅行先としては、首都・北京や経済都市・上海、美食も魅力の四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)や、中国選手が大活躍を見せるアジア大会の開催地である浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)なども上がる。ちなみにアジア大会は連休明けの10月8日まで開催される。

 こうした人気の各都市では観光部門の担当者らが記者会見を開き、この大型連休に臨む決意や準備を語るなど気合十分だった。

 一番人気の北京では、他都市などからの旅行客約550万人を含む1283万人の人出を見込んだ。これは去年の60.8パーセント増、コロナ前の2019年と比しても21.9パーセント増となる。天安門広場や故宮など観光資源が豊富な北京の観光スポットでは10月1日から3日までが混雑のピーク。1日当たりの人出を320万人以上と見込む。博物館などではさまざまな特別展も企画し、一部では開放時間を延長したり夜の参観を可能にしたりなどして特別に対応した。

 成都では過去の大型連休の記録を上回る2500万人以上の人出を見込んだ。350余りのイベントを企画し、また、アジア大会の観客に対し一部の観光地で入場無料にするなどの優遇策も打ち出した。

 ちなみに、中国で中秋節は旧暦の8月15日と決まっているので新暦の日付は毎年変わる。国慶節は新暦の10月1日なので日付は毎年同じ。そのため、今年の国慶節のように、年によっては旧暦と新暦の祝日が重なり、突如、超大型連休が出現するのは、中国生活のひそかな楽しみ。天体学者によれば、国慶節と中秋節が次に重なるのは2031年だそうだ。(c)東方新報/AFPBB News