【10月2日 CNS】第19回アジア競技大会(19th Asian GamesAsiad)の聖火リレーが中国で白熱開催中だ。聖火リレーの第1走者は杭州市(Hangzhou)の西湖からスタートした。そして、第106走者がトーチ「薪火」を手にし、涌金公園広場から出発し、西湖の十景の一つ、「平湖秋月」に到着し、聖火を消火した。世界文化遺産の西湖を周回し、聖火ランナーたちはその足で「三面雲山一面城(三面は雲山、一面は都市)」という杭州の風景を描き出した。

 多くの人にとって、西湖は杭州の代名詞のような存在だ。今回の大会では、西湖は杭州の独特な文化要素として、さまざまなシーンで非常に高い「目撃率」を誇っている。大会の授賞式ドレス、チャイナドレス「雲舒霞卷」は、「雲水糸」という一本の糸で西湖の十景をつなぎ、東洋の味わいを表現している。メダル「湖山」は、生き生きとした波紋の線で西湖の湖水の波紋や山並みの起伏を描き出し、メダルトレイのデザインは、微風に揺れる西湖の水面を模倣している。

 現在の杭州は、中国の「電子商取引の都」「デジタルインテリジェンスの都」として知られている。ここでアジア大会を開催するからには、主催者は美しく重厚な都市の歴史文化の根底にあるもの、さらには現代都市の気質を示めさねばならない。

 西湖景勝区は早くも2019年にデジタル環境の整備が完了し、200以上の5G基地局が景勝区全域をカバーしている。観光客はスマートフォン1台で自動駐車、20秒での入園、方向案内を実現し、ワンタッチで西湖を自由に楽しむことができる。西湖に隣接する浜湖歩行者街区では、杭州の油紙傘(唐傘)の形をあしどった舗装と照明地面が伝統的なアスファルト道路に取って代わった。道端には名勝地「三潭印月」の石塔をインスピレーションにしたスマートな照明柱が設置されており、街区地図、道路標識、祝日装飾、ゴミ箱などの機能を兼ね備えている。アジア大会を迎えるために、西湖ではライトショーも開催される。古風な河畔の建築は、音楽噴水や周辺の現代的な要素と合わせ、西湖は新たな姿を見せている。

 アジア大会の開催の日が近づくにつれ、西湖では大会の「雰囲気」もますます濃厚になってきた。西湖観光車は大会限定仕様の「新しい装い」に変わり、西湖周回の観光ルートで手を振ると停まってくれ、車内では2か国語解説が対応可能だ。

 データによると、今年の上半期に西湖は延べ2500万人の観光客を迎えた。杭州市文化観光局の予測では、アジア大会の期間中、地元外からの観光客数は延べ2000万人を超える見込みだという。(c)CNS/JCM/AFPBB News