【10月2日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)は1日、セルビア系住民が多数を占める北部で先週末に武力衝突が起きたことを受け、NATO主力の国際治安部隊(KFOR)を増強すると発表した。

 NATOのディラン・ホワイト(Dylan White)報道官は、英国はコソボにすでに400人派遣しているが、200人を追加派遣すると述べた。また他のNATO加盟国も追加派遣するという。

 追加派遣の決定は、9月24日に発生したコソボ警察への襲撃と、域内の緊張が高まっていることを受けたものだと説明している。

 米政府は先月29日、セルビアがコソボとの国境に展開する軍隊を増強しているとして懸念を示しているが、ホワイト氏はこれについては言及しなかった。

 NATOは10月1日、セルビア、コソボ両政府に対し冷静になるよう呼び掛け、「恒久的平和を実現する唯一の手段」である対話を可能な限り早く再開するよう求めたとしている。

 先月24日の襲撃は、セルビア系住民が多数派を占める町が複数あるコソボ北部で発生、警官一人が死亡した。その後、コソボの特殊部隊と重武装したセルビア系住民との銃撃戦に発展。近年で最も深刻な衝突となった。

 コソボはかつてセルビアに属する自治州だった。セルビアはコソボの独立を承認していない。(c)AFP