【10月1日 東方新報】9月中旬、小雨が降りしきる初秋の黄山市(Huangshan)では、二つの大型ファッションイベントが開催された。15日と17日、黄山市人民政府主催のファッションショーが、黄山景勝地の南大門と花山謎窟をそれぞれ華麗に彩った。

 15日夜開催の「古韵国風薈佳麗 迎客松前贊非遺」というショーは、国風と無形文化遺産をテーマに、「天地精華」「高山流水」「金枝玉葉」「古皖新章」など七つの章で構成された。

 ファッションショーで展示された95セットの衣装は、上海大学(Shanghai University)パリ国際ファッションアート学院の中国とフランスのデザイナー10人が共同で完成させ、徽(古代徽州)派文化に対する異なる理解と美学を融合させた。同学院のフランス人立体裁断技術専門家、マチルド先生は、芸術は生活から生まれ、青山に囲まれた徽派建築が彼女のデザインのインスピレーションの源だと語った。学院の外国人教師のアンナ先生は、黄山の四季や昼夜それぞれの美しい風景からインスピレーションを得て、衣装を通じて中国伝統文化の深い豊かさを表現している。

 17日の「千年石窟謎 光怪時尚秀」というショーは、花山世界・花山謎窟テーマパークを舞台に開催された。この没入型テーマパークは、レジャー、テクノロジー、ファッションが一体化する日中・夜間両方で対応可能な観光地だ。その中にある石窟は約1700年前から存在し、成因や年代、用途はいまだに謎であり、その形状は見る者を驚嘆させる。

 これらのファッションショーでは、第62回と第67回ミス・ユニバース(Miss Universe)中国人優勝者、靳燁(Jin Ye)氏と朱鑫(Zhu Xin)氏など、世界で活躍する数十人のモデルが特別に招待された。彼女たちは前衛的な中国風の服を身にまとい、重なり合う山々や美しい自然の中を優雅に歩き、観客に非常にユニークな視覚体験をもたらした。

 今回のファッションショーは、黄山景勝地の自然風景をファッション化する試みであり、全方位、多角度、超立体的な方法で黄山の独特な魅力と優雅さを表現しようとしている。黄山市は急峻(きゅうしゅん)な奇峰を持つ都市に限らず、古今が共存する多元化した都市でもある。黄山はもはやただの山ではなく、中国が世界に誇るファッションの代名詞とも言えるだろう。(c)東方新報/AFPBB News