今も土砂だらけ…ギリシャ洪水被災地、再建急ぐ
このニュースをシェア
【9月27日 AFP】暴風雨「ダニエル(Daniel)」に見舞われたギリシャ中部の村ブロコス(Vlochos)では、3週間過ぎた今も大量の土砂が残されたままとなっている。
村の住民の男性は、「洪水から救うことができたのは、家族写真と子どものおもちゃ一つだけだった。生まれ育った家に残されたのはこれだけだ」と涙をこらえながら語った。
ダニエルの影響で17人が死亡したほか、農業の中心地テッサリア(Thessaly)が壊滅的な被害を受けた。
豪雨による洪水で家畜数万頭が水死。肥料や除草剤、石油などの化学製品を保管していた倉庫が押し流され、水が有毒物質で汚染された。
家畜の死骸や有毒物質が混ざり汚染された水による悪臭が、辺り一帯に漂っていた。被害を受けた家具や電気製品、衣類などが家々の前に積み上げられていた。
再建を急ぐブロコスの住民の頭上には、暗雲が立ち込めていた。
26日からは別の暴風雨「エリアス(Elias)」がギリシャを襲い、大雨やみぞれとなる予報が出ている。
震災後の軍と災害当局間の連携がうまく取れていなかったとの批判が集まったことを受け、政府は被災地再建に20億ユーロ(約3150億円)を拠出すると約束した。
ブロコスの住民の男性(27)は、村で生活を立て直すことを心に決めている。
「ここは私たちが育った場所だ。私たちの村を再建したい。だが当局の支援なしには、ここでの暮らしは取り戻せない」と訴えた。(c)AFP/Vassilis KYRIAKOULIS