【9月27日 AFP】韓国の首都ソウルで26日、10年ぶりとなる軍事パレードが行われた。北朝鮮との関係が急激に悪化する中、最新鋭の兵器も披露された。

 北朝鮮は大規模な軍事パレードを頻繁に行っているが、韓国では10月1日の「国軍の日(Armed Forces Day)」に合わせて5年ごとに開催するのが慣例となっている。ただし2018年には、北朝鮮との融和政策を取っていた文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)前大統領が軍事パレードの代わりに祝典を催したため、パレードが最後に開催されたのは13年だった。

 26日は雨が降りしきる中、兵士約4000人がソウル中心部を行進。傘を差した観衆が国旗を振った。無人機や戦車、ミサイルなど170の兵器も披露された。

 また、韓米の同盟関係の「堅固な基盤」を示すため、米兵約300人もパレードに参加した。米国製のF35戦闘機などによる展示飛行は、悪天候のため中止となった。

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)大統領は壇上から閲兵し、行進する部隊に拍手を送った。

 北朝鮮は、軍事パレードを今年だけですでに3回開催している。

 米中央情報局(CIA)の元分析官で、現在はコンサルティング会社LMIに所属するスー・キム(Soo Kim)氏は今回のパレードについて、「(北朝鮮の)金正恩(Kim Jong Un)氏に対し、韓国は引き下がることも、和解の道を模索することもしないと伝える、控えめとは言い難い、視覚的にも挑発的な意思表示だ」と分析した。(c)AFP