【9月26日 AFP】アイルランド体操連盟(Gymnastics IrelandGI)は25日、昨年行われた女子大会のメダル授与式で職員が黒人少女の選手に人種差別的な扱いをしたことを謝罪した。

 今月22日にソーシャルメディアに投稿された動画では、2022年にダブリンで行われた大会において、大会職員が唯一並んでいた黒人選手の順番を抜かし、この少女が困惑の表情を浮かべている様子が確認された。

 GIは公式ウェブサイトに投稿した文書で、「この体操選手とご家族に対し、このような事態を招いて動揺させてしまったことを率直にお詫びする」と謝罪。「あの日の出来事はあってはならないことであり、深くお詫び申し上げたい」とし、「われわれは、いかなる人種差別も(GIとして)非難することを断固として明確にしておきたい」と述べた。

 問題の動画は投稿後にすぐに拡散され、少女への扱いに対して幅広い非難を引き起こした。中でも、計7個の五輪金メダルに輝く米体操界の女王シモーネ・バイルス(Simone Biles)は、この少女へ支援のメッセージを伝えるプライベート動画を送ったと明かした。

 バイルスは23日にXへの投稿で、動画を「見て胸が張り裂けた。どのような競技や状況でも、人種差別が入り込む余地はない」とつづった。

 問題の職員は「悪意のない間違い」だったと弁明し、GIも先日の文書で職員を擁護していた。しかし少女の母親は24日、地元紙に対して娘はそのアイデンティティーを理由に無視されたと確信していると話していた。(c)AFP