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【09月26日 KOREA WAVE】面白いドラマやテレビニュースをどのように視聴しているだろうか。朝、目覚めた途端に昨夜のニュースが気になって、朝ドラが観たくて部屋の床を手探りでテレビのリモコンを探していたのは過去のことになり、今は枕元にあるスマホのスイッチを入れるのではないだろうか。

◇「2500ウォン」徴収に疑問の声

科学技術の発展と単身世帯が増えた生活方式は、われわれのテレビ視聴パターンも短期間で急速に変えてしまった。さらに、テレビ以外のコンテンツが豊富になり、ネットフリックスなどオンライン動画サービス(OTT)をはじめユーチューブなど個人放送まで見どころが無限になると、必ずしもテレビでなくても良いという人が増えた。

家々に1台以上保有していたテレビは、いつのまにか姿を消した。今は皆がお茶の間に集まってテレビを見るより、各自スマホの画面で映像コンテンツを見るのがよりありふれた姿になった。そのため、今年に入ってあちこちで「2500ウォン(1ウォン=約0.1円)」の疑問が提起された。

これは韓国電力がKBSに代わって徴収していたテレビ受信料だ。これまでテレビのある世帯なら、いずれもKBS公共放送の受信料の分として徴収されてきた。韓国をはじめ、日本や英国、ドイツ、フランスなど主要先進国では受信料を財源とする公共放送制度を設けている。権力からの独立性と中立性を守り、広告主の影響を受けない公益的な放送を作ることができるようにするという趣旨で導入された。

受信料は1961年にKBSがテレビ放送を始め、1963年から月100ウォンずつ徴収した。その後、1980年まで6回にわたって800ウォンまで値上げした。カラー放送が導入されたのは1980年、その翌年から2500ウォンに値上がった。2007年と2011年、2014年に合わせて3回、受信料を引き上げるべきだという調整案が国会に提出されたが、承認されなかった。

徴収は容易ではなかった。過去にはKBS徴収員が受信料を世帯ごとに集金に回っていた。直接徴収方式は費用がかさむ一方で回収率は低く、効率が悪かった。

そこで思い起こされたのが韓国電力だ。電気が供給される世帯でテレビのない家はない。それゆえ電気料金のついでにテレビの受信料も徴収したらどうかということになった。KBSは1994年、韓電に委託徴収する契約を締結した。そして、このアイデアは成功した。

◇「見てもいないテレビ」への“税金”

だがKBSは視聴者が期待した「受信料の価値」を満たしていないようだ。KBSが引用したメディア未来研究所の調査結果によると、信頼度は2008年から2010年まで1位を続けていたが、2011年から下落、2016~2017年には順位圏外に下がった。

それに視聴パターンの変化で、若い世代は前の世代よりテレビで見るKBSに馴染みがなかった。ちょうど電気料金の値上げの負担に、見てもいないテレビに課される税金のように感じられたのではないか。

大統領室が3月9日から4月9日まで実施した「TV受信料徴収方式」改善国民参加討論の結果によると、総投票数5万8251のうち、約97%が統合徴収方式を改善すべきだと答え、31.5%が「分離徴収」の意見だった。「公営放送制の維持を検討してほしい」という意見もあったが、「事実上の税金」「放送チャンネルの選択など視聴者の権利無視」などの意見も出た。

結局、政府は7月12日に分離徴収を推進することにした。その後、テレビ受信料の徴収額が再び減る。韓電の「最近5年間のテレビ受信料増減額」の資料によると、先月の受信料徴収額、前年同月(575億ウォン)比4.14%、つまり24億ウォン減っている。

8月だけでみると、受信料は2020年の562億ウォンから翌年575億ウォン、昨年579億ウォンと毎年着実に増えている。分離徴収を始めた今年、統計上初めて減少した。約96万世帯が受信料の支払いをやめたのだ。

これは短期的な現象だろうか、これから減り続けるのだろうか。

韓電がKBSと結んだ受信料徴収契約は来年末までだが、それ以降はどうなるのか……。【NEWSIS イ・スンジュ記者】

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