【9月26日 東方新報】欧州最大規模の自動車展示会であるドイツ・ミュンヘン国際自動車ショーが9月5~10日に開かれ、中国の電気自動車(EV)メーカーが主役級の存在感を示した。

 出展数は671企業・団体。メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)、BMW、フォルクスワーゲン(Volkswagen)をはじめ、テスラ(Tesla)、ルノー(Renault)、ポルシェ(Porsche)、比亜迪(BYD)、小鵬汽車(Xpeng)などが参加した。国別では地元ドイツの348企業・団体に次いで中国勢が前回比約2倍の45社が参加し、第2位となった。日本車大手メーカーの出展はなかった。

 中国EV1位のBYDのブースはベンツより2倍ほど広いなど、中国メーカーが最も広い展示場を占め、あるメディアは「ドイツが整えた舞台で中国が歌うショー」と称した。

 BYDや小鵬は欧州仕様のEVを披露したほか、世界最大手のEV電池メーカー・寧徳時代新能源科技(CATL)、車載人工知能(AI)半導体のユニコーン企業・地平線機器人(Horizon Robotics)も出展。会場では「中国のEV産業チェーンが丸ごと押し寄せた」と言われていた。

 会場を訪れたドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は「ドイツの自動車大国としての国際競争力はまったく疑問の余地はない」と強調しつつ、「1980年代は日本車が市場を圧倒し、その20年後に韓国車が進出した。現在は中国のEVが勢力を広げている」との認識を示した。ショルツ首相は、ドイツ・チューリンゲン州にEV用バッテリー工場を持つCATLのブースも訪れた。

 欧州連合(EU)はEVの普及を促進するため、2035年には合成燃料を除くエンジン車の新車の販売を原則禁止する方針。世界のEVの主戦場となっている欧州で、中国ブランドのEVのシェアは2021年の4パーセントから2022年は6パーセント、今年は8パーセントの見込みで、少しずつシェアを広げている。

 中国ブランドのセールスポイントは価格だ。中国における昨年前半のEV平均販売価格は3万2000ユーロ(約505万円)弱で、欧州の約5万6000ユーロ(約884万円)より格安。

 技術力の向上もめざましい。中国はガソリン車ではエンジン、トランスミッション、シャシーの三大部品の開発でドイツや日本に後れを取るが、EVに必要な電池、電動機、電子制御技術では強みを発揮している。ドイツメーカーの担当者は「4年前はドイツで中国車を見ることはなかった。ここ数年で中国製のイメージが向上し、町中で普通に中国車を見かけるようになった」と話す。中国自動車工業協会の許海東(Xu Haidong)副主任技師は「中国車は『追い越し車線』を走る段階になった」と語る。

 2022年の中国の新エネルギー車販売台数は前年比93パーセント増689万台となり、販売台数は8年連続で世界1位となっている。今年の販売台数は850万台に達する見込みで、新車全体の30パーセントに達する可能性がある。

 スイスの金融大手UBS中国法人の鞏旻(Gong Min)自動車産業研究主管は「中国自動車メーカーの欧州市場でのシェアは2030年頃には20パーセントに伸びているだろう」との見方を示している。(c)東方新報/AFPBB News