【9月23日 AFP】インド政府は22日、中国が領有権を主張する地域出身の3選手の参加許可や入国が拒否されたとして、同国・浙江(Zhejiang)省杭州(Hangzhou)市で開催される第19回アジア競技大会(19th Asian GamesAsiad)へのスポーツ相の訪問を中止した。

 報道によると、3人は武術太極拳に出場する予定だった女子選手で、中国側が「南チベット」と主張している北東部アルナチャルプラデシュ(Arunachal Pradesh)州の出身。

 杭州の大会組織委員会からは参加許可を得られていたとされているが、印紙ヒンドゥスタン・タイムズによれば、中国への入国ビザ(査証)の役割を果たすアクレディテーションカード(参加資格証)をダウンロードできなかったという。

 インド外務省のアリンダム・バグチ(Arindam Bagchi)報道官は、中国が一部のインド人選手を「標的にし、計画的に」差別したとする声明を発表。「中国の行為は、アジア大会の精神と、加盟国の競技者への差別を明確に禁止している行動規定の両方に違反している」と指摘した。

 インド政府の発表に先立ち、大会を主催するアジアオリンピック評議会(OCA)の責任者は、3選手にはビザが発行されて参加も禁じられておらず、選手側がビザを受け取らなかったと主張していた。

 中国外務省の毛寧(Mao Ning)報道官は定例会見で、中国は「合法的な書類を持つ全ての国のアスリート」がアジア大会に参加することを歓迎すると回答し、「中国政府はこれまで、いわゆるアルナチャルプラデシュ州を承認していない。南チベットは中国の一部だ」と述べた。

 インドの武術太極拳チームは、7月に中国・成都(Chengdu)で開催されたワールドユニバーシティゲームズ(FISU World University Games 2023)にも出場しなかった。

 そのときは同じ3選手が、ビザをパスポート(旅券)に貼り付ける代わりにホチキス止めされる措置を受けた。アルナチャルプラデシュ州におけるインドの領有権を認めないと取れる動きにインド側は猛反発し、外務省は「受け入れられない」と抗議した。(c)AFP