エアバス最高執行責任者「中国で非常に良い協力を」
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【9月21日 Xinhua News】欧州航空機大手エアバスは6日、中国天津市(Tianjin)にあるA320シリーズのアジア最終組立工場の敷地内で懇談会を開いた。アルベルト・グティエレス最高執行責任者(COO)は、会場外に駐機する納入待ちの10数機を指し、これらは非常に良い協力の成果であり、私たちは中国での投資と発展に十分な自信を持っていると語った。
アジア最終組立ラインは、エアバスが欧州以外に設立する初の民用機組立ラインとして、2008年9月に天津で正式に稼働し、今年8月末までに累計630機超のA320シリーズを組み立てた。
同組立ラインはドイツ・ハンブルクの単通路機最終組立ラインに基づいて設置される。中国で組み立て、納入する飛行機は、欧州製の飛行機と完全に同じ基準が適用される。
エアバスは21年11月、天津工場ラインの組立能力をA321型機対応に拡張すると発表し、今年3月に初号機のA321型機を中国の上海吉祥航空に納入した。
組立ラインは、現地サプライチェーン(供給網)の発展をけん引している。中国の航空機メーカー中航西安飛機工業集団は、天津工場の隣接エリアに主翼の組立工場を建設した。組み立て、テストを経た主翼は、天津工場に直接供給される。
同氏は「私たちは現在、中国で約200社のサプライヤーを抱える。現地サプライチェーンの価値は20年に約10億ドル(1ドル=約148円)に達した。エアバスは26年までにA320シリーズの月間生産数を世界で75機に高める目標を掲げており、実現に中国の協力パートナーは欠かせない」と語った。
A320シリーズでの良好な協力を基に、エアバスが欧州以外で初めて設置する天津のA330ワイドボディー機のコンプリーション&デリバリー・センター(C&DC)は、17年9月に稼働を開始した。サービス範囲を徐々にA350シリーズにも広げ、8月末時点でA330シリーズ16機、A350シリーズ19機を引き渡した。これは、エアバスと中国航空産業との協力が単通路機からワイドボディー機へと拡大したことを意味する。
エアバスは過去15年に、中国市場でのシェアを20%程度から50%超に引き上げた。双方の協力は今年4月、再び実を結んだ。エアバスは天津保税区投資、中国航空工業集団と新たな連携協定を締結し、天津に2本目の組立ラインを建設、A320シリーズの組立能力の引き上げを目指す。組立ラインは今後、A320型機とA321型機の生産能力を同時に備え、25年末までに稼働する予定。完工後は、世界にある10本のA320シリーズ組立ラインのうち、2本が中国の天津に所在することになる。
同氏は、エアバスは対中投資を止めず、連携を一段と深化させるとし、「私たちは中国が今後の発展でも優位性を維持すると確信している」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News