【9月19日 AFP】サッカー女子スペイン代表のヘニフェル・エルモソ(Jennifer Hermoso)は18日、同国サッカー連盟(RFEF)がW杯オーストラリア・ニュージーランド大会(FIFA Women's World Cup 2023)の優勝メンバーを、本人の意に反してUEFA女子ネーションズリーグ(UEFA Women's Nations League)の代表メンバーに招集することで、「威嚇し、脅迫しよう」としていると非難の声を上げた。

 W杯優勝後の表彰式で、RFEFのルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)前会長から一方的にキスをされたエルモソは今回の代表メンバーに招集されていないが、チームメートたちへの支持を表明した。

 現在はメキシコ女子リーグのCFパチューカ(CF Pachuca)でプレーするエルモソはこの日、「これは私たちを威嚇し、法的影響や経済制裁で脅迫しようとするための、新たな分裂と操作の戦略だと選手たちは確信している」と述べ、「不意を突かれ、RFEF内で意思決定を続けている人々が引き起こした不幸な状況に対応せざるを得なくなった同僚たちを、改めて全面的に支持したい」と続けた。

 世界中からの猛批判を受けてルビアレス前会長が辞任し、女子代表のホルヘ・ビルダ(Jorge Vilda)前監督も解任されたが、W杯優勝メンバー23人中21人を含む39選手は15日に声明文を発表し、代表復帰には条件が適切ではないと述べ、連盟の各部門にさらなる変革を求めていた。

 しかし、ビルダ氏の後任に就いたモンセ・トメ(Montse Tome)監督は18日、優勝メンバー15人に加えて声明文に署名している選手を、2024年パリ五輪の出場権が懸かかるネーションズリーグ2試合に向けたメンバーとして招集した。

 世界最優秀選手賞「バロンドール(Ballon d'Or)」を2度受賞しているMFアレクシア・プテラス(Alexia Putellas)を含む、39人の中で今回招集された選手たちは、ソーシャルメディアに投稿した共同声明で「われわれは正当な理由によって、招集には応じないという意志を明確にしていた。これらの声明は現在も有効である」と主張した。

 選手たちは19日にマドリードへ呼び出されており、これに応じない場合は高額の罰金や2~15年の連盟ライセンス停止が科される可能性がある。

 トメ監督はエルモソを「保護する最善の方法」だったという理由で今回の招集メンバーに入れなかったが、同選手は「何から守ってくれるというの? 誰から守ってくれるの?」と問いを投げかけている。(c)AFP