【9月17日 東方新報】中国ではココナツ関連飲料が人気で、今年は天然100パーセントのジュースが大ヒットするなど、飲料業界の「脇役」がついに「主役」に躍り出た感がある。あまりのヒットぶりは供給側の予想をはるかに超え、供給不足に陥るほど。ココナツジュースの価格暴騰を招いているという。

 江西省(Jiangxi)のある食品工場では、ココナツジュース飲料の生産ラインを昨年の1本から今年は7本に増やした。生産量としては6倍に増えたがそれでも需要に追いつかず、1日に100トン余り生産するココナツジュース飲料は、倉庫に3日と留まってはいないそうだ。

 ココナツは成熟度によって大きく二種類に分けられる。若い実はココナツジュースそのものを飲むのに適している。熟した実は、ココナツミルクやヤシ油の製造など加工用に多く用いられる。比較すれば高価で取引されるのは前者だが、後者もこの2年ほどの間にかつてないほど価格が上昇しているという。

 ネット上には「ココナツジュースの値段が40倍」といったうわさが流れ、検索数の多い情報の一つとなっている。そこまでではいかないにしろ価格の上昇は確か。国内最大のココナツ産地である中国南部の海南省(Hainan)の加工業者、陳在能(Chen Zaineng)さんは「熟した実のココナツジュースでさえ、昨年は1トンあたり1400元(約2万8304円)だった値段が、今年は高い時なら1800元(約3万6391円)にもなった」と話す。陳さんによれば、熟した実のジュースで1トンあたりの値段は昨年に比べ300元(約6065円)から400元(約8087円)、若い実のジュースなら1000元(約2万円)近く高い値段で取り引きされているという。

 ココナツブームは街の飲料ショップに行けば実感できる。至る所でココナツを冠したドリンクが提供されており、新メニューも次々と登場する。ココナツジュースは、コーヒーや茶との相性が良く、組み合わせても主役の良さを奪わないのも魅力だ。

 そんなココナツドリンクブームの火付け役になったと指摘されているのが、(ラッキンコーヒー、Luckin coffee)が2年前に発売した生ココナツラテ。現在は販売量が3億杯を超えるという驚きのヒット商品だ。

 専門家はブームの背景に消費者の健康志向もあると指摘する。

「ココナツは、天然の電解質を補充できるため、体にとても有益な健康的な食品です」

 そうお墨付きを与えるのは中国熱帯農業科学院ココナツ研究所の弓淑芳(Gong Shufang)副研究員。

「ここ数年のココナツコンセプトの食品や飲み物の流行は、人びとが健康食品や健康的な物を重視していることを示していると思います」

 弓副研究員によれば、欧米の一部の国では、ココナツジュースがスポーツドリンクの代替品としても親しまれてきたという。

 ココナツジュースの今後の需要などを分析した報告書によれば、中国におけるココナツの需要量は毎年26億個に上るが、国内最大の産地である海南省の生産量でさえ年間約2億5000万個。多くはタイやベトナムなどからの輸入に頼らざるを得ない。

 ココナツブームを一過性で終わらせず、さらに盛り上げ継続していくためには、原料の安定確保への努力が一層必要と言えそうだ。(c)東方新報/AFPBB News