【9⽉14⽇ Peopleʼs Daily】中国では風力や太陽光などがエネルギーの重要な供給源になりつつある。中国の風力発電と太陽光発電の累計設備量と新規設備量は長年にわたり世界第1位だ。しかし、風や光は無限と言えるかもしれないが、発電設備の寿命は有限だ。

 中国国家発展改革委員会(発改委)などはこのほど発表した「退役した風力発電・太陽光発電設備の循環利用促進に関する指導意見」(以下、「指導意見」)で、風力発電や太陽光発電設備の回収と循環利用の方向性を示した。

 常州瑞賽環保科技は中国で初の使用済み太陽光発電装置の解体技術を専門とする民間企業だ。同社の荘虎梁(Zhuang Huliang)副社長は、「弊社はすでに約5000トンの太陽光発電装置を回収しました。今年は通年で7000トン前後を回収する見通しです」と説明した。太陽光発電パネルの寿命は25年から30年で、中国では2025年には太陽光発電設備の引退ラッシュが始まるという。

 風力発電機の耐用年数は通常20年程度だ。中国物資再生協会の許軍祥(Xu Junxiang)会長によると、中国の陸上風力発電設備の退役台数は2025年までに1800台以上に達し、2030年までに3万4000台を超える見通しだ。ただし、使命を終えたこれらの設備には、依然として高い価値がある。

 清華蘇州環境革新研究院の麼新(Yao Xin)副院長によると、中国では2030年までに引退した風力発電・太陽光発電設備から累計約3500万トンの廃棄物が発生する見通しだ。これらには豊富な資源が含まれている。初歩的な試算によると、使用を終えた風力発電設備には発電容量1メガワット当たり100~240トンの利用可能な鋼鉄・銅・アルミニウム・ガラス繊維が存在し、太陽光発電設備には容量1メガワット当たり60~80トンの使用可能な銅・アルミニウム・プラスチックが存在する。

 リサイクルをしっかり行うには、廃棄者と回収者を確定することが重要だ。「指導意見」は、集中型風力発電と太陽光発電企業が退役した新エネルギー関連の設備の処理責任を負うよう督促・指導し、規範に合致しない廃棄を禁止した。

「指導意見」はさらに、「発電企業などは廃棄の主たる責任者であり、専門の回収組織と共同で、あるいは委託することで、回収や循環利用のシステムを形成すべきだ。粗放な処理によって資源の浪費や環境汚染などを引き起こしてはならない」と強調した。

 回収や循環のメカニズムを形成するためには、技術開発が欠かせない。関連技術が精密であるほどリサイクルの経済性が向上する。また技術を絶えず向上させることで、業界の健全な発展を推進することができる。

 麼副院長は「指導意見」の発表を、中国の風力発電・太陽光発電設備の高効率の循環利用の堅固な基礎を築くものと評価した。寿命を迎えた風力発電や太陽光発電の設備を循環利用する産業が形成されれば、その他の大型設備の循環利用の規範化にも有益な参考が提供されることになるという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News