【9月11日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)の臥竜国家級自然保護区管理局はこのほど、世界で唯一の白いジャイアントパンダの最新の研究成果を発表し、性別が雄であることを明らかにした。

 同管理局は4年余り前、初めて白いパンダの姿を捉えた写真を公開、特別チームを設立して白いパンダの追跡とモニタリングを行ってきた。

 譚迎春(Tan Yingchun)高級エンジニアによると、リアルタイム伝送の赤外線カメラ映像により、実は早い段階で雄らしき生殖器の特徴を見つけていた。しかし遺伝子が変異した可能性のあるパンダの場合、野外で撮影した不明瞭な映像だけでは性別の推論を十分に裏付けられないため、白いパンダが頻繁に活動する区域で重点的にモニタリングを実施したという。「カメラが白いパンダを捉えるとすぐに山に入り、映像を頼りに新しいふんを採取した。それを急いで検査機関に送ってゲノム解析を行い、最終的なDNA分析により雄であることを確認した」と譚氏は説明した。

 カメラの映像には白いパンダの生活の軌跡が数多く残されていた。劉明沖(Liu Mingchong)高級エンジニアは白いパンダについて、日常的に保護区の高山の密林で活動しているとし、細長い樹洞の近くで別のパンダ母子と同じフレームに納まった写真もあったと紹介した。これについて「子連れの母パンダは普通、大人のパンダが近づくと強い攻撃性を示すが、撮影された母パンダは白いパンダと長時間仲むつまじくしていたことから、白いパンダの母親の可能性が極めて高いと判断した」と説明した。また多くの単独行動をする動物は近親交配を防ぐために雄が遠く移動するのに対し、パンダの場合は雌が母親から遠く離れ、雄は生活区域(縄張り)の一部が母親と重なるのが一般的だと説明し「これは白いパンダが雄であるという結論とも合致する」と述べた。

 調査に参加した北京大学生命科学学院の李晟(Li Cheng)研究員は、赤外線カメラには白いパンダが他のパンダと交流する様子も捉えられており、白いパンダは見た目こそ特別であるものの、区域内の他のパンダと良好な関係を築き、良い生活を送っていることがわかると述べた。

 白いパンダのモニタリング研究はより深く進められており、さらなる分析や科学的検証を経た上で、引き続き多くの生物学的情報が発表される。(c)Xinhua News/AFPBB News