【9月8日 CGTN Japanese】中国の科学者はこのほど世界で初めて「氷層の融解が大規模な火山噴火を誘発」など、地球と生命の進化の新しいメカニズムの存在を提出しました。現代の極端な気候変動と地球環境による生物の生存への影響を探索する上での重要な啓示です。この研究成果は7日の国際的に有名な学術誌「サイエンス・アドバンス」に掲載されました。

 地球の歴史では「雪に覆われた地球」、すなわち世界的な凍結現象が何度も出現したとされています。うち約7億2000万年前に発生した氷河時代は約5600万年続き、約6億4000万年前に始まった氷河時代は1000万年以上続きました。長く続いた氷河期には、地球上の生命の大絶滅現象が発生したと考えられています。

 中国の科学者は中国華南地方の多くの場所で研究を行い、地下100メートルまでドリルで掘削して地質を体系的に分析することで、「雪球」状態だった地球から氷雪が溶けはじめた時期には海水の化学組成が現代の海水と明らかに異なっており、中でも水銀同位体の変化が火山活動の活性化を示していることを発見しました。科学者らは氷雪の急速な溶融が原因で、地球の表層圧力が突然減少し、地球深部のマグマ活動と火山噴火が誘発されたという新しい説を提出しました。科学者は、溶融に誘発された火山の噴火は約10万年続き、地球の環境変化に連鎖反応をもたらしたと見ています。

 科学研究者はさらに、地質堆積物中の黄鉄鉱中の硫黄同位体の組成に異常があることを発見し、地球が「雪球」状態だったために海水中の硫酸塩の硫黄同位体の組成が変化したと考えました。これらの現象は、当時の海水と大気中の酸素含有量が徐々に上昇し、地球上の生命に有利な環境を作り出し、緑藻が徐々に繁盛し、海綿など最初の動物の出現を促したことを示すと考えられます。

 中国の科学者は、「現在の地球は温暖化の時期にあり、一部の氷河が溶けていることが火山の噴火を誘発し、海洋中の酸素不足を引き起こす可能性がある。これらは、地球環境が一つのシステムであることで、一つの変化が連鎖反応を引き起こす可能性があることに関心を持ち続けるべきだとわれわれに注意を喚起している」と指摘しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News