【9月7日 AFP】英国南部サリー(Surrey)州ウォーキング(Woking)で先月、10歳の少女が自宅で死んでいるのが見つかった事件で、パキスタンに逃亡した父親と継母は6日、動画を公開し、英当局に協力する用意があると強調した。

 サラ・シャリフ(Sara Sharif)さんは先月10日、自宅で発見された。検視の結果、長期間にわたり「複数箇所に重傷」を負っていたことが分かった。

 警察は、父親のウルファン・シャリフ(Urfan Sharif)さん(41)とパートナーのビナシュ・バトゥール(Beinash Batool)さん(29)、シャリフさんの弟のファイサル・マリク(Faisal Malik)さん(28)は、遺体が見つかる前にパキスタンに逃亡したとみて、行方を追っている。

 バトゥールさんは、親族がAFPに提供した動画で「サラの死は事故だった。私たちのパキスタンの親族は一連の出来事で大きな影響を受けた」と述べた。

「パキスタン警察に拷問されたり、殺されたりすることを最も懸念しており、そのために身を隠している」と続け、「私たちは英当局と協力し、裁判で争う用意がある」と締めくくった。

 約2分半の低画質な動画の中でバトゥールさんがメモを見ながら話す間、シャリフさんは隣に座っているものの、一言も発しなかった。マリクさんは動画には登場していない。

 バトゥールさんは「親族は全員、身の危険を感じ隠れている」とも話した。

 パキスタンでは、警察が容疑者に圧力をかけ出頭を促すために、親族を違法に拘束していると、人権団体は長年指摘している。

 シャリフさんの父親のムハンマド(Muhammad Sharif)さん(68)はAFPの電話取材に応じ、シャリフさんとバトゥールさんはパキスタン到着後カシミール(Kashmir)の家に2日間滞在したと明かした。

 また、過去3週間にわたり、パキスタン警察から嫌がらせを受けているとし、警察に拘束された親族もいると話した。

 サリー州警察は発表で、動画を「把握している」とした上で、父親ら大人3人と共にパキスタンに渡航した子ども5人の安否が「最優先事項」だと述べた。(c)AFP