【9月7日 AFP】米ペンシルベニア州の刑務所から殺人罪で服役中の受刑者が脱獄してから1週間が経過した。学校が休校になるなど警戒態勢が続いている。

 ブラジル国籍のダニーロ・カバルカンテ(Danelo Cavalcante)受刑者(34)は先月31日、チェスター(Chester)郡刑務所から脱走した。今月5日に目撃されて以来、足取りが途絶えている。

 同受刑者は脱走する前の週に、2021年に恋人を38回刺し殺害した事件で有罪となり、終身刑を言い渡されていた。恋人の子どもの目の前での犯行だった。

 刑務所は6日、カバルカンテ受刑者の逃走時の動画を公開した。白いTシャツにジーンズ、スニーカーを履いた同受刑者が一方の壁に両手を、もう一方の壁に両足を突っ張らせて、体を地面に対して水平にした状態でよじ登り、屋根に上る様子が捉えられていた。

 住民のジョー・デラハンティーさん(40)はフィラデルフィア・インクワイア(Philadelphia Inquirer)紙に、6日の出勤途中に検問で4回止められたと話した。州警察に車のトランクを開けるよう指示されたこともあったという。

「仕事に行く時に家の鍵を閉める必要があると感じたのは9年ぶりだ」と話した。

 同州最大都市フィラデルフィア(Philadelphia)西部では予防措置として学校が休校となっている。

 4日には市内の植物園の監視カメラに、リュックサックとダッフルバッグを持った同受刑者の姿が捉えられた。

 植物園近くに住む住民はABCニュース(ABC News)に対し、カバルカンテ受刑者が1日の夜中に家に忍び込み、キッチンから桃やりんご、スナップエンドウを盗んでいったと話した。

 チェスター郡の検察はカバルカンテ受刑者の身柄確保につながる情報に1万ドル(約150万円)の懸賞金を出すと発表。警察官数百人がヘリコプターやドローン、暗視ゴーグル、警察犬を使って捜索を続けているとしている。(c)AFP