臨時ナンバープレートを取り付けた完成車(c)news1
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【09月07日 KOREA WAVE】上半期、過去最高級の販売実績を記録した韓国自動車業界の在庫が急速に増えている。業界では、高付加価値車種に転換しているほか、業況悪化への備えなど複合的な理由で在庫が増えたとし、状況を注視する方針だ。

自動車業界によると、現代自動車の上半期の在庫資産は17兆4122億ウォン(1ウォン=約0.1円)で、前年同期より約22%増加した。製品(30%)、商品(40%)、原材料(10%)の増加幅が大きかった。起亜自動車の場合は10兆5239億ウォンで15%増えた。大半のタイプの在庫は減少したが、製品(29%)だけが大幅に増えた。生産したが売れない車両の台数が増加したというわけだ。同期間、KGモビリティの場合、在庫資産が64%増加し、4163億ウォンとなった。製品が計2234億ウォンで、前年(1108億ウォン)より2倍近く増えたためだ。

上半期に各社の販売量が急増した後に在庫が急増した。起亜自動車は計157万5920台を販売し、上半期で史上最大の実績を記録した。現代自動車も208万台余りを販売し、2桁の増加幅を見せた。KGモビリティは販売台数が36.5%増えた。業界関係者は、好況にもかかわらず在庫資産が増加したのは複合的な理由からだと口をそろえる。

現代自動車・起亜自動車は付加価値の高い車種に転換し、在庫資産の価値も共に上昇したという立場だ。在庫資産は現在の金額規模で公示されるが、現代自動車によると、台数としては在庫量が減った。現代自動車・起亜自動車の関係者は「電気自動車とジェネシスなど高価な車両の割合が高くなるので、評価金額が高くならざるを得ない。今後も増え続けるだろう。資産規模ではなく車両台数で見れば、新型コロナウイルス感染拡大前の半分の水準だ」と明らかにした。

さらに「最大・最適供給のために最大生産を続けている状況で、車が余る状況では絶対にない」と強調した。昨年末に発生した物流難により、一部車両の出庫が滞り在庫が増えたものの、主要な要因ではないという。

KGモビリティの場合、第2四半期(4~6月)から景気低迷が深刻化し、打撃を受けた。KGモビリティ関係者は「4月から景気低迷による在庫が発生した」として「(在庫資産増加に)景気低迷の影響がなくはない」と明らかにした。また「電気自動車の生産のため平沢工場の2~3ラインの統合工事を進めており、ラインが止まる可能性があるため、事前に注文を受けた輸出用を生産した」と付け加えた。

下半期には景気低迷が深刻化するという見通しが出ており、自動車業界は状況を注視している。自動車の個別消費税引き下げ、原材料価格上昇、自動車価格引き上げ、金利引き上げなど国内外の不確実性が大きくなっている。このような悪材料に備え、あらかじめ生産時点を繰り上げるなど、機敏に対応しているという説明だ。自動車業界関係者は「事業の現況が当初の目標ほど良くないと思ったが、上半期は最大限無理をしてでも作ろうという基調だった。下半期が予想より良ければ、無理せず適切に調整する計画だ」と話した。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News