【9⽉9⽇ Peopleʼs Daily】長い歴史を誇る中国・陝西省(Shaanxi)では、文化関連事業が力強く推し進められている。

 陝西考古学博物館の孫周勇(Sun Zhouyong)館長は「考古学をテーマとする本館の建設準備は10年をかけて入念に進められました。展示されている5000点以上の出土品は、いずれも文明の遺伝子であり暗号です。古人の知恵が込められた、かけがえのない宝です」と述べた。

 同省宝鶏市(Baoji)にある宝鶏青銅器博物院(Baoji Bronze Ware Museum)に足を運べば「中国」という言葉のある最も古い青銅器を見出すことができる。秦始皇帝陵博物院(Emperor Qinshihuang's Mausoleum Site Museum)の修復現場を訪れれば、歴史を経て摩耗した文化財の輝きを再現する様子が見られる。陝西歴史博物館(Shaanxi History Museum)では、最盛期の唐の華やかさと精緻さを垣間見ることができる――。陝西省には現在までに博物館が350か所建設されている。人口10万人当たり1か所で、中国全国の平均を大きく上回る。

 研究活動も盛んだ。中国の学者として初めて中央アジアの考古学調査を行った西北大学(Northwest University)の王建新(Wang Jianxin)教授は20年余りの努力を経て、「史記」や「漢書」などの文献に記載のある古代の月氏と康居の遺構を確認した。

 陝西省考古研究院(Shaanxi Academy of Archaeology)、西北大学などの中国人考古学者は活動を通じてカザフスタンやウズベキスタンなどの考古学者と深い友情を築き、中国で形成された特色ある大遺跡保護や大遺跡考古学の理念と実践を国外に伝え、成果を私心なく分かち合ってきた。

 錦鯉が空に躍り、空いっぱいに花火が打ち上げられ、大明宮含元殿が輝きを放ち、玄奘(Xuanzang)の天竺行きの地図が徐々に展開される――。「盛唐幻鏡」は大唐不夜城で今年になり登場したプロジェクトで、AR技術を用いて光景を合成し、「虚実融合」の没入型の体験を提供する。

 省都の西安市(Xi’an)にある西安博物院(Xian Museum) では、10万冊余りの所蔵古籍のデジタル化保護プロジェクトにより、著者、装丁、著作権などの情報を完備した記録を完成させた。陝西歴史博物館ではデジタル化されたバーチャル展示方式で、視聴者は携帯電話でコードをスキャンするだけで、唐代の壁画を「至近距離・全方位」で観賞することができる。

 陝西省の博物館、図書館、方志館(地誌館)、アーカイブ館、美術館、文化館などの施設は、「インターネット+公共文化」の考え方に基づく文化のデジタル化を進めている。

 経済のつながりはコミュニケーションを促進し、コミュニケーションは理解を促進する。中国(陝西省)自由貿易試験区は7年前の設立以来、文化サービス貿易の発展を加速し、さらに異文化間の相互理解と共感を促進した。

 陝西省の伝統文化の海外進出も盛んだ。シカゴで行われた春節(旧正月、Lunar New Year)の祝賀を兼ねた「国風秦韻特別公演」、コペンハーゲンでの元宵(旧暦1月15日)を祝う灯篭祭、ベラルーシでの「中国陝西文化と観光フェスティバル」などのさまざまな活動や展示が、中国文化の独特な魅力をアピールしつつある。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News